『車線変更』

折角のデートはあいにくの雨。

視界が悪く込み合った道路を彼女のナビで進む。


「あ、次を右だった」

車線変更が間に合わないタイミングで告げられる。

折り返すのも容易じゃないが、どこかから戻るしか……。

尋ねようと口を開くと、彼女の声が被さった。

「この先に家あるんだけど寄ってかない?」

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故意か偶然か悩ましい。

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