クソスキル【睡眠不足】持ちの俺の人生は死んでから

ごまる

第1話

俺はカルム、このパーティーの荷物持ちだ


「おいカルム!もっと速く歩けねぇのか!」


そしてこの俺に怒鳴っているのがこのパーティー〈黒曜の剣〉のリーダーのキルだ

俺たちは今ダンジョンにいて、キルの右を歩いているのが神官のシムで、左が賢者のミルだ、そして俺はこのパーティの荷物持ちや資金の管理、宿屋の予約、野営の準備など、雑用をいっぺんに引き受けている


俺がなぜこのパーティを抜けないのかは1つ、俺の固有スキルが無能だからだ

俺の固有スキルは【睡眠不足】というよく分からないスキルだ。おかげでこのスキルを授かってから10年たっているが俺はいつも睡眠不足で体調が悪く体つきも細い

なのでこのスキルでも引き受けてくれるこのパーティしか俺の居場所はないのだ


ちなみに他のパーティメンバーの固有スキルはこんな感じ

キル【不屈の勇志】

シム【女神の治癒術】

ミル【魔法神の祝福】

というチートスキルだ


【不屈の勇志】はどんな敵にも屈しず、強者に対して自身の力が5倍になる

【女神の治癒術】は死亡していなければどんな状態からでも回復することができる。

【魔法神の祝福】は全属性の魔法をつかえ 、それに加え魔法の威力や速度が2倍になる


という破格の性能なのだ。なぜスキルの詳細がわかるかと言うとほとんどの人は5歳になると教会でスキル授与という式を行われるそこで自身のスキル、そのスキルの効果などがわかる

その式を受けたあとは教会に行かずともステータスと念じるだけで見れるようになる


だが俺はまだ自分のスキルがどんなものなのかを知れていない

なぜなら俺のスキルは詳細が不明だからだ

どういうことかというと俺のスキル詳細画面には


【睡眠不足】

???


としか表示されないからだ

ひと通り紹介を終えたので現在に戻る


ダンジョン内を歩いていくと3匹のケルベロスという頭が3つの犬が出てきた


それを見つけた3人はまずはミルがファイアアローを3つ展開し左のケルベロスに発射する

それをみたケルベロスは1本目は避けるが2、3本目は避けきれず命中する

それを見て驚いているあとの2匹を見逃さずキルが中央のケルベロスを斬る

最後のケルベロスはそれに気づき逃げようとするがそんなことできるわけもなく両からの攻撃により絶命する

見事危なげなく魔物を退けれたのだ。

このパーティはまだCランクのパーティだが、個人でいえば全員がBランク級で、性格が悪いが実力は確かなのだ。


だがこの時の俺は知る由もなかった…

一時でも「こいつら」に気を許していた自分に怒りを覚えることになるとは…


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