+15-1


「なあ美織。このさ、プランBの人生でも、俺とまたずっと一緒にいてくれる?」



「……CでもDでも一緒にいる」



「え」



 口をまんまるく開けたまま、私の顔を見上げた秀和の顔を、「ちょっと、物凄い間抜け顔だよ」と素早くスマホでパシャリと撮影した。



 この人とはもう長い付き合いになるけれど。



 私は、あまりこういうことを本人に直接言うのに慣れていない。



 正直、どうにも照れ臭くて、私は撮ったばかりの画像をスマホアプリで加工するフリをして、秀和から視線を逸らした。



 妙な沈黙が続く。続きすぎて、再び口を開くタイミングを逃した私は、そのまま画像をキースヘリング風味に加工し、その出来栄えの良さにうっかり笑ってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る