キャラメイクの失敗とは?

@chiriyam_jun

キャラメイクの失敗とは?

キャラメイクはTRPGを始めるにあたって最初の味わいどころであると思う。

これから冒険を始めるにあたって、どんなキャラクターなら楽しめるか。どんなキャラクターと交流をしていくのか。

そんな妄想を膨らませながら、自分だけの特別な一人を想像するのは老若男女関係なく心躍らせるもののはずだ。


「PCの設定はセッションで生やすもの」という言葉がある。

これはシナリオや他のPCと関わるうちに生まれる関係性が、PCの根幹に関わるようなエピソードとなる事があるからだ。

一方で、キャラメイク時点で考えていた設定がセッション中にうまくPCに反映されない場合がある。

「実はこの人には〇〇という過去があり〜」

というのは、本来人に明かせない秘密だったりするので、知り合って間もないPC同士ではそこまで掘り下げた関係になるのが難しかったりするからだ。


僕が今でも愛用するキャラクターにイケメン結婚詐欺師がいる。

彼は変装の名人でもあり、女装の腕前も中々のものだ。

だから結婚詐欺を仕掛ける相手は女性だけでなく男性も対象となるのだ。

しかし、非常に残念なことに、過去のセッションで結婚詐欺の成功例はゼロである。

何故ならば、セッション中に他PCにバレないように変装をするのは、たとえダイスロールに成功してもPLを警戒させてしまい中々難しい。

リアル詐欺スキルを持っていない僕では相手の協力なしにカモるのは、至難の業なのである。


このように、セッションではPL間で合意を得られる事は比較的実現可能だが、拒否されてしまうようなことを実現させるのはとてもリスキーである。

僕の詐欺師の場合、詐欺を行いたいという僕の願望は、他のPLにとって不利益と見做されると犯罪行為を妨害されてしまうというリスクをキャラメイク時点で背負ってしまった。


結果この詐欺師には、イケメンで女装姿も非常に美しいが、詐欺に成功する事がない残念詐欺師という設定が生えてしまった。

それはそれで美味しいので、継続キャラとして使い続けてはいるが、初期のキャライメージから考えると、メイキングに失敗してると言えるだろう。

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