第208話

テスト。

そんな単語をまた聞くようになってきてしまった。

俺の記憶ではついこの間まで中間テストが迫ってくる、そんな焦燥にかられてたはずなのに今は期末テストに終われ、焦っている。


この世の中の時間の進み方はおかしい。

そんなことを感じながら授業前の準備をのんびーりと進める。

「大通くん、今回のテスト開けに提出のワークってどこまで行きました?」

前の席の亀谷くんが不思議なことを言っている。

「そんなのありましたっけ?」

俺的にはこの学校始まってから課題的なことは一度もなかったはずなのに。


「何言ってるんですか。

国数英理社全教科、中間の分も含めて提出じゃないですか」

そんな絶望的なお教えはいらなかった。


「ちなみに何ページくらいありました?」

「100ページ行くか行かないかぐらいです」


マズっい。もう焦りすぎて冷や汗も出ない、声も出ない。

なんならその問題になっているワークも出てこない。


詰んだ。

後一ヶ月ワークを探すところから始めなくてはならない。

……はぁー。

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