第120話

ふっー楽しかった。

家に帰ってから、靴を脱いでから感じる足の重さに感慨深さを感じる。


寂しさは不思議と感じる。


今は、それよりも眠い……。

それこそ今日は感情がうまく動かなくなってしまうくらいに。


「ぁ~疲れた。」

とりあえず独り言を漏らしてみる。

「これで……取手も恥ずかしくないかな……」

隣の部屋から帰ってくる声がある。


多分、大田君が我慢できずに試しに来てみてるんだと思う。

彼女のことを気にして、鏡を見ている大田君を想像するとそれはかっこいいなって思う。それに今日買った服はとてもよく似合っていた。


ってか……さっきの独り言聞こえなきゃいいな……。聞こえたら変な誤解を与えてしまいそう今日の買い物が詰まらなかったみたいな誤解を。

今日の買い物はお世辞抜きにしても最高に楽しかった。だから変な勘違いをしてほしくない。


「今日、楽しかったな~。また行きたいな~」

さっきよりも心持ち声を大きくして、大田君の家側に体を近づけて話す。もう大田君にあえて聞かせるように、聞いて欲しいという願いを込めて。

……向こうは当然、俺のこの言葉を独り言だと思ってるから返事は返ってこない。でも聞こえていると信じている。


……めんどくさいけど、夜ご飯の準備しないとな……。


そんなこんなで始めたご飯の準備。いつも通り美味しかった。


でも相当手抜きになってしまったから明日の朝とかは頑張らないと!

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