コロナ禍にあって、人は何を失い、何を学び、何を取り戻そうとしているのか。それはアマビエだけが知っているのかも知れません。 苦しんだ人たちのことを、忘れないで欲しい。今だからこそ。
コロナ禍にありながら、手つむぎのガラス細工のような美しい物語を読ませていただきました。繊細であっても、このガラス細工にはこわれぬ強さがある。その強さは、人を信じ切る作家・プラナリアの強さから来ています。先の見えぬ夜の底で、人は人を信じて、その強さを信じて、夜明けを待っています。物語の美しさに酔い、同時に、書き手の強さを分けてもらえるようなお話です。私たちはきっと、コロナにも閉塞感にも、偏見にも打ち勝てる。ここにアマビエとクイと、作家・プラナリアがいる限り。だいじょうぶです。