メイドな俺とビビリーな勇者と…
モモん
プロローグ
プロローグ
俺は屋上のフェンスにもたれてタバコをくゆらせていた。
青い空に白い雲、そこに俺の吐き出すドーナツ型の煙が加わって消えていく。
ミシッ パキン
最後に見たのは青い空と白い雲だった。
だが、次の瞬間、それは青白の縞パンに変わった。
「ちょっとぉ。いつまで私のパンツを見てるわけ」
「へっ?」
体を起こすと幼女が立っていた。
「誰だお前」
「私は女神アイリス。
そしてあなたは、屋上から落ちて死んだ丸山俊彦。
オッケー?」
「あ、ああ、死んだんだな…」
「そう。
普通なら天国か地獄に送られるんだけど、ちょっと用があってここに呼んだの」
「用?」
「あなたには、勇者を倒して…違った
魔王を倒す勇者を育成してもらうわ。
そのための下準備はできているから、勇者を助けて魔王を倒してちょうだい。
理解できた?」
「勇者と魔王?」
「ちょっと歪な世界で、聖と邪のバランスが崩れてるの。
そこの負のオーラが強すぎて、他の世界に影響を与えてるの。
そうね、あなたの世界で自爆テロが多発してるでしょ、あれもその影響なの」
「なんでそんな世界になったんだ?」
「うーん、どこまで話していいか…
神の世界でトラブルがあってね。ちょっと監視の目が届いていなかったのよ。
その隙をついて、邪の芽が蔓延ってしまったの。
それが魔王の出現につながってしまったのよ。
それで、聖の芽を植え込んで、やっと勇者が産まれたわけ。
でも、周りには邪の空気が満ちているから、勇者を排除しようとするわけ。
あなたには、その勇者を守りながら成長させて、魔王を倒す手助けをしてほしいの」
「なんで俺なんだ?」
「あなたのスキルがピッタリだったのよ」
「スキル?」
「家事全般よ」
「それ、魔王を倒すのに、関係ねえだろ」
「ところがそうでもないのよね。
まあ、現地へ行ってみればわかるわ。
それと、ライトノベルの異世界物にある一般的なものはセットしといたから、よろしくね」
女神がスッと消え、俺の目の前が暗くなった。
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