クリスマスプレゼントは来なかったけどメリーさんなら来ました。

743(名無しさん)

メリーさんが来た

俺は山野陽太やまのようた。普通の会社員だ。今日も仕事が終わり、家に帰って来た。


「さっぶ」


すぐ服を部屋着に着替え、かばんをいつもの場所に置いて、暖房をかける。

今日はめんどくさいから、キッチンの棚からとあるカップ麺のシーフード味を取る。俺、シーフード味好きなんだよね~。

やかんでお湯をつくり、中に注ぎ、皿を上に乗せる。そして、動画サイトでいつもの曲を流して、トイレに行く。

だって、普通に待つよりなんか好きな曲流した方が良くない?一人暮らしになったら分かるが、テレビとか何も付けなければまじで静かだからな。

トイレから出て、キッチンで箸と皿が置いてあるカップ麺を持ち、テレビの前に置いてある机に置く。俺は机を前にして、座布団の上に座る。

曲に耳を傾け、ぼーっとする。頭の中で「ログインしないとな」と思っているゲームを思い浮かべる。頭の中には二つほど出てきた。仕事し始めてからは仕事に疲れてゲームする時間が減ってしまった。「ゲームするくらいなら寝る」という思考に行ってしまう。もうそんな年齢になってしまった。


そんな事を考えてると曲が終わった。

「さて、食うか」

食おうとした時、スマホの着信が鳴った。そういや今日はクリスマス・イブだな。

カップルがイチャコラする日だ。まさか、誰かがクリスマスプレゼントを・・・

そうだな~。とりあえず金かな~。ニート出来るくらいの。

あと、彼女!!可愛ければだいたいOK!

守備範囲はたぶん広め。(男の娘もありかも)


そんな事を考えながらスマホ見ると、LINEではなく、電話でかかってきた。

「あれ、知らん人か?」

番号を見たが、やはり知らない人だ。

「はい、もしもし」

「私、メリーさん。今〇〇駅に居r」 ピッ

さて、今の電話はいたずら電話なんかだな。

・・・

いや、待て。もし、本当にメリーさんだとしたら・・・。

一応、声は幼い少女のようだった。だが、本当か分からなかったから切った。

よし!次来た時は質問してみよう。でも、その前に

「ラーメン食わねぇと!」

俺は急いでラーメンを流し込むように食った。


「ごちそうさま」

カップ麺のゴミを片付けて、箸をシンクにほおった。

すると、また着信が来た。

俺はすぐに出る。

「はい、もしもし」

「私、メリーさん。今、コンビニに居るの」

おお!だんだん近づいてる。

「あの」

返答は何もないのでそのまま続ける。

「今、何歳っすか?」

すぐに電話が切られた。

「あー!なんて事をしたんだー!」

一人しかいない部屋で叫んだ。

何をやっているんだ!女性に年齢の話をしてはいけないという話を聞いたことあるだろが!うわー!やっちまったー!

でも、このアパートのこの部屋に来る予定ならまた電話が来るはず!頼む、来い!

俺は机の上にスマホを置き、座って待った。

いや待て!!相手は幼女かもしれないんだ!

冷蔵庫の中にたまたまあったメル〇ィーキッスをスマホの横に置いて待つことにした。


待つこと五分。

また、着信が来た。

「はい、もしもし!」

テンションが上がって、声を少し張り上げてしまった。

「私、メリーさん。今、あなたの家の前に居るの」

はい、来たー!!

俺は着信を切り、ダッシュで玄関に行き、ドアを開ける。もちろんそこにメリーさんはいない。

俺はすぐにスマホ片手にベランダにつながる窓にもたれかかる。

こうだったらどうなるのか。見させてもらおう!


スマホに着信が来た!

「はい、もしもし!」

また、声を張り上げてしまった。

「私、メリーさん。」

お!

「寒いから窓開けて。お願い。」

後ろを振り返ると、フリルがついた黒白のドレスのような洋服で髪は銀髪のロング、黒い色のポシェットを持ったメリーさんが両腕で体を包むようにして、小さく震えていた。

「中、入って」

と、優しい声音で言って窓を開ける。メリーさんは部屋に入ると、靴を脱いで、窓を閉めた。個人的だが、靴を脱ぐという文化はヨーロッパの方にはないと思っていたからだ。というか、メリーさんってどこ出身だ?

ま、そんなことは置いといて。


とりあえず、毛布とホットミルクを持って来た。メリーさんはさっき俺が座っていた場所に座っていた。だから、俺はキッチン側。メリーさんから見て、左斜めの所に座った。

「メリーさん、寒いでしょ。どうぞ使って」

メリーさんに毛布を渡すと、毛布をカーディガンのようにして羽織ると体を包むようにした。

「あと、ミルクをここに置いておくから」

「ありがとう」

「どういたしまして」

メリーさんはフー、フーとして、飲もうとしたが、暑かったのかちょびっとしか飲めなかったみたい。可愛い。

俺はとなりで眺めていた。だって可愛いもん。ちびちび飲んでるの。


そんな感じでのんびりしていると飲み終えたのかメリーさんが口を開いた。

「なんで」

あら、気付いてない。

「メリーさん」

「何?」

「口、拭いてください。白いおひげが出来てますよ」

俺はメリーさんがのんびり飲んでいるあいだに取りに行っておいたタオルを差し出す。

メリーさんは恥ずかしかったのかサッと受け取り、口を拭いた。

「大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ」

(そういうのは先に言ってよ・・・)

少し目線が下にいった。口をもごもごと動かしている。

「なんか言った?それとも独り言?」

「ううん、独り言。 それでなんで窓に凭れかかったの?寒かったんだよ」

「それは前にとある動画投稿サイトで壁に凭れかかるとメリーさんが壁に埋まるみたいな話を見たんで、窓に凭れかかったら窓の薄さで埋もれず、ベランダに出るかな~と、思って」

「次からはやめてね。寒かったんだから」

「すみません」


「本当だったら後ろで包丁を構えるのに、寒くて出来なかった」


え⁈ そういやメリーさんってそんな感じのだったけ?

「メリーさん、今、包丁持ってるんですか?」

「うん、ポシェットの中に」

とポシェットの中身を取り出した。本当に包丁と血まみれの白いハンカチが出てきた。ただ、時間が経っているからか、血はもう固まっていた。

「それは今日中はポシェットにしまったままにしてくださいよ、死にたくありません」

さすがに幼女に「殺されてもいいわ~」というほど俺はロリコンじゃないんで。

俺はロリコンじゃない・・・じゃないよね?

「分かってるよ、もうしてないから」

そう言って、ポシェットの中にしまった。ん?もうしてない?

「ま、前はしてたの?ていうかしたことあるの?」

恐る恐る聞いた。

「うん。私を捨てた家族を刺した後、その家族の親戚に「私を捨てたら」という人がいたから刺したら、別の人が間違って警察に捕まりそうになってたからもうしなくなって、今はおどかすだけにしてる」

「そ、そうか・・・、え、偉いね」

(まぁ、たぶんこの子は多少良い心を持ってる、と思う。人を数人刺してるけど。もし、別の人が警察に捕まらなかったら今も人を刺してるかもしれないけど)

「なんか、分かんないけど・・・」

「ん?」

「そう言われるとうれしい。ありがとう!」

メリーさんは褒められて少し照れるのか頬が少し赤くなっていた顔で言った。

可愛い~。


「ねぇ、ちょっと聞いていい?」

「何?」

「この箱に入っている袋の中には何が入っているの?」

そう言ってメル〇ィーキッスの箱をゆびさした。

「チョコだよ」

ちょっとピンと来てないのか首を傾げた。

「まぁ、食べてみな」

箱から一個取り出して袋を開けて、メリーさんに渡す。メリーさんは不思議そうに見た後、口に運んだ。

「ん⁈」

「どう?」

メリーさんは驚いた顔をして

「おいしい!」

と言った。美味しそうに食って何よりです。

「もう一個食べてもいい?」

「いいよ」

メリーさんはどんどんメル〇ィーキッスを食べていった。

俺は食いたかったが、メリーさんが喜んでいたので我慢した。

また、自分用に食うかな・・・。


メリーさんがメル〇ィ―キッスを食べ終わった後はのんびりおしゃべりしていた。

一時間くらいかな?そんくらいしたらメリーさんが

「じゃあ、私はそろそろ帰る」

「えっ、メリーさん。もう帰るの?」

「うん、この姿だとちょっと疲れた」

「そうなんだ。・・・じゃあ最後に写真撮っていい?」

「写真?」

「うん」

俺はスマホを操作して、カメラを開いて内カメラにする。

そして、俺はメリーさんの隣に座る。

スマホを俺とメリーさんの前にやると、驚いて「ねぇ、これどうなってるの⁈」と興奮して聞いてきた。俺なりに説明すると、メリーさんは「そうなんだ!」と尊敬の眼差しで見てきた。間違ってたらごめんね、メリーさん。


「じゃあ、画面見てー。撮るよー。ハイ、チーズ!で撮るからね。行くよ。

ハイ、チーズ!」


その写真には右手でピースをして、笑顔の俺と同じポーズで笑顔の少女が写っていた。



「じゃあ、帰るね。楽しかった」

「また来たい時は電話して」

「うん」

「ていうか、どうやって電話かけたの?」

「これ」

と、出てきたのはガラケーだった。

「メリーさん、それ持ってるの⁈」

「うん。なんか化け物の神様が渡してくれて使い方も教えてくれたの」

「そんなんいるの⁈」

「うん」

でも、ガラケー持ってるなら

「じゃあ、電話番号交換しよ!」

「いいよ」


メリーさんは俺と電話番号とメルアドを交換した後、去っていた。


さ~て、ゲームにログインするか~。








Q.メリーさん、年齢は?


A.私がこうなってからもう100年は経ってるの!

  だから年齢は誰にも言いたくないの!














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