第5話 じゃあ忘れるね
「そのおじいちゃんは何で鈴音って名前を付けてくれたのかな?」
若干イライラしながらも母親は悪くない。無邪気に聞いた。
「さぁ…何でかな…」
あれ?もしかして興味無いのかな。
母親の視線は私から近くにいた龍也に移動した。
何か、隠してる…?
母親の目が曇ったかのように見えた。本当にどうでもいいんだ。
悲しかった、率直に。
もういいや、こんな事に真剣になるなんてバカバカしくなった。
私だけだ、興味というか真相を知りたくなったのは。
「そっか…どうでもいっか!こんな事」
吹っ切るためにも大きめの声で言った。
フツフツと腹の底では煮えたぎる物があったが、無視してやった。
どうせ、人からすれば大した事ではない。
それに悩む時間。
どう考えたって無駄だ。
この事についての情報をもう聞きません。
あなたがそんな顔をするのなら、私は二度と聞きません。
それから私は名前の由来の疑問も、名付け親の事への疑問も
全て無いものとした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます