第46話 敗北の先
ここは無の核で溢れた世界。いや、世界が創造される前の世界という方が正しいかもしれない。無の核しか存在しない世界。そんな世界で無の核は不規則に動いていた。しかし、そんな世界にも関わらず特定な動きをしている無の核が存在していた。
『今回も勝てなかった』
『やはり我々には、あれをどうすることも出来ない』
『そんなことはわかりきっていたことだ』
『・・・・・・・・・・・・・・』
『出来ないことを試すことは必要だ。そして、それを伝えることも』
『今回の戦いが必要であったか疑問だ』
『必要な戦いだった。鍵に接触することが出来たのだから』
『鍵か、あれは本当に鍵なのか?』
『・・・・・・・鍵の可能性が高い』
『可能性、か。便利な言葉だな』
『・・・・・・・・・・・・・・』
『ただ悲しみを増やしただけなように気がする。そして我々も拘束されてしまった』
『自由を失った我々にはどうすることも出来ない。これから我々以上の者が生まれるのか?』
『生まれる』
『その根拠は何だ?』
『我々が生まれたのは、神の傲慢さのためだ。そして、それは変わっていない。次なる者が生まれるの必然だ。そして・・・・・・』
『『そして?』』
『種は蒔かれた。あとは種が芽吹くのを待つとしよう』
『気が長いことだ』
『・・・・・・どこへいく?』
『どこへでも。私は私で目的を達成するために行動する』
『そうだな、我々の目的は同じだ。どのような達成方法でも構わない。好きにすれば良いい』
『・・・・・・・・・・・』
特定な動きをしていた無の核は、他の無の核と同様に不規則な動きへと変わっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます