周りから恋愛マスターだと思われて居ますが実は彼女居たことないです…

リスアリス

第1話 恋愛マスター

「なぁ、裕太ゆうた相談したいことがあんだけど…さ」

「ん?どした山田。改まってさ」

この流れを俺は何度も経験している。

最初はほかの展開を期待していたが何回も相談を受けるうちにもう察してしました…

さて今回も親身になって考えてやるか。ふっ俺なんていいやつなんだろう

「彼女と手をつなぎたいんだけどさ、いざやろうとするとなかなかね…」

「ふむふむ。君もなかなかに初心だなところあるね」

「ちょっ、茶化すのはなしだって」

「わりぃ、わりぃ。」

(これくらいさせろよ。こっちは彼女の一人もいないってのに)

「荷物もってやるときとかにつかんでやればいいんじゃないか?」

「えぇ、でも~」

(でもじゃない。女子かよ。ホント男心はわかんねーな。いや分かりたくもないんだがな)

「いいか?ここで逃げ出す奴はどんな方法でも逃げてしまうやつなんだ。お前はそれでもいいのか…これは今後もお前たちが幸せになるための試練なんだ。頑張ってくれ」

「兄貴…そうだよな。一生ついてきやす」

(なんとかごまかせたな…こいつらは両方奥手なだけだから、多生山田が強引に言っても大丈夫だろう。てか今後も相談される流れだよな…ボロでそうだし…何より虚しいから是非ともやめて頂きたいものだ)

「やめろよー、俺は友達として当たり前のことをしただけなんだから」

「俺…頑張るよ!ありがとな木南きなみ

「おう!」




――――

「さて、帰えるか」

「あの…そこのチャラそうなあなた」

ん?誰のことだ。まあいっかかわいい声だったけど俺にはかんけーないことだしな

「あなたよ木南 裕太さん」

(名前知ってるなら名前言えよ…てかやっぱ俺チャラいかな。)

「んー?どうした」

かっかわいい誰この子…こんな子いたっけ

「話があるのよ。私好きな人がいるのよ…それでね、どこで告白すればいいば、いいか分からないで」

(いきなり来たな…おい!それにしても女性からの相談か、有名になった者だな俺も泣いていい?正直くそ虚しいわ)

「そうか、まあ学校でいいんじゃないのか?誘うにしてもいきなり外とかだと

ハードルも上がると思うしな。学校での方が変に身構えずに済むな」

(女性に使える俺が考えた技…自分ならどう思うか…コレなら保険をかけつつ親身に相談している感を出せる。我ながら考えたものだ…)

「そうなのね!なら早速使わせて貰うわ。ありがとうね

私あなたのことが好きなの。」

「お、おおう?おううおうお、え?」

お母さんついに俺にも春が来たみたいです。

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周りから恋愛マスターだと思われて居ますが実は彼女居たことないです… リスアリス @igunisuto

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