ゴミ職業で異世界無双‼️~家を追い出されたけどチートで強く生きていきます~
ヤサク
第1話
ーああクソッ、ツイてねぇー
俺、山城龍也はその日、朝からツイてなかった。
大雨だったのに買い物の最中に傘は盗まれるし、濡れた服の中でケータイは水没するし、挙げ句、幼馴染の彼女には遊びの予定をドタキャンされた。
極めつけには、歩道に突っ込んできたトラックに轢かれそうになっていた子供を助けたはいいものの自分は足を滑らせてしまいトラックから身をかわすことができなかった。
俺の18年の人生は迫りくるトラックのライトを最期の景色にして、その幕を下ろした。
ーーーん、あれ? 何処だ、ここは。ーーー
ーーー俺はたしか、トラックに轢かれたんだよな?
だったら此処は病院か?
にしちゃあ、随分と天井が真っ白だなぁ。
まぁ病院なら清潔第一だろうし、そういうもんなのかなぁ?
でも、天井どころか壁も白一色だしっつーか、病室にだって数が少ないにしろ、調度品やテレビの一つや二つはあるだろうに、それもないし窓すらないのはどう考えてもおかしいよなぁ?ーーー
ーーーってことは、ここ何処だ?ーーー
とりとめもない思考の果てに、結局答えが得られなかった彼は、とりあえず身体を動かそうとして、『ある事』に気づく。
ーーーあれ?俺の身体どこだ?ーーー
そこには、彼の体躯が、いや彼そのものがなかったのだ。
その衝撃的すぎる事実に、彼の思考がその空間のように、真っ白になり停止した
その時。
[私の声が聴こえますか? 迷える魂よ]
ーーー,,,,,,,,,,,,,ーーー
[私の声が聴こえていたら、応えるのです 此処に漂う魂よ]
ーーー,,,,,,,,,,,,,ーーー
[聴こえているのでしょう ヤマシロタツヤの魂よ]
ーーー,,,,,,,,,,,,,ーーー
[あ、あれ? 私の声が聴こえませんかー ヤマシロタツヤさーん?]
ーーー,,,,,,,,,,,,,ーーー
[ど、どうしよぅ?! 事故の時に、魂も破損しちゃったのかしら? でもそんな話聞いたこともないし,,,,,]
ーーーハッ!?ーーー
[キャア?!! な、なに?]
ーーーナンだよこれぇ!!! お、俺、一体どうなってんだよ?! 何で、どうして一体!?ーーー
[お、おち、落ち着くのです ヤマシ、ちょ、落ち着、あの、落ち着いて下さい! ヤマシロさん!!]
ーーー何だよ、うっせぇーな! こっちは一大事なんだよ!! トラックに轢かれて死んだと思ったら、変な空間で目ぇ覚めて、でも俺の身体がなくて、、え?ーーー
彼が戸惑ったのは、必然であろう。自らの身体はなく、意思だけが漂う特異な空間で姿を表し、なおかつ身体がない筈の己に喋りかける者がいたからだ。
ーーーあ、アンタは一体?ーーー
[よ、ようやく、落ち着いてくれましたね。 これでお話ができます。]
[私は、管理神『アウリス』と申します。]
ーーーカンリシンアウリス? 何いってんだよアンタ?
もう最初から訳わかんねェんだけど?! 一体なにが起こってんだよ!ーーー
[では説明させていただきますね]
[まずは、そうです。 あなたはあなたが覚えているようにトラックに轢かれて亡くなりました]
[そして魂のみとなったあなたを私の元に呼び寄せました。以上になります。]
ーーー………はぁ? あの、アウリスさん,,,だっけ? 説明になってないんだけど,,, 俺は死んだんだよな?ーーー
[はい、間違いなく]
[その事実は今は取り敢えず飲み込んでいただくしかありません]
ーーー分かった、いや全く分からんが取り敢えず置いておく
何であんたは俺を呼び寄せたんだ?
呼び寄せたなんて言い方するんだから理由があるんだよな?ーーー
[勿論です]
[あなたを呼び寄せた理由はあなたが生きていた世界とは別の世界に転生していただく為です]
ーーー転生? 生まれ変わるってことか?
何で?ーーー
[私の神としての仕事が転生に適正のある魂に新たな人生と世界を与えることであり、あなたの魂にその適正があった為です]
ーーーやっぱ、今一ピンと来ないんだが、その生まれ変わるのって拒否できねーの?ーーー
[拒否?なぜですか?]
ーーーなんとなく理解したけどさ、俺はもう家族にもダチにも会えないんだよな?
だって死んだんだし。 だったら生まれ変わんのとか嫌だなぁ~って思ってよぉーーー
[残念ながら、その懸念は当たっています。
ですが転生を拒否することも、またできかねます]
[申し訳ありませんが、あなたの転生は決定事項ですから……]
ーーーはぁ? 嫌だっつってんじゃん?!
勘弁しろよ,,,もう死んでんだからさぁゆっくりする位、良いだろ? なぁーーー
[神としての仕事とはいえ、あなたに無理をいっているのはわかっています]
[ですので転生の際には特典をつけさせてもらいます]
[では善き人生を]
ーーーは?なに勝手に話を終わらせてんだよ
とにかく俺は転生なんてごめんーーー
この日、一人の男が(嫌々ながら)新しい人生を歩むことになった
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