第13話 たわわに実るトマトにも似た

「ホントにビックリしたわよぉ。まさか犾守いずもり君とあんな場所で会えるなんてぇ!」


「はっ……はいっ」


 周りを見回せば、オフホワイトで統一された広いリビング。

 落ち着いた大人の雰囲気、と言った感じだな。

 しかも、リビングにはベッドらしきものが見当たらない。となると、どうやら1LDK、場合によっては2LDKぐらいの広さはありそうだ。

 しかも、窓の外。

 白いレースのカーテン越しに見えるその夜景は、まごう事無き都心の輝き。


 マジかー。

 ここから都心の夜景が望めるって事は……。

 タワーマンション……とまでは行かないまでも、かなりの高層マンションと言わざるを得ない。

 あまりの格の違いに、僕の脳は既にパンク寸前。

 例の工事現場からどうやってココにたどり着いたのかすら、すでに記憶が曖昧あいまいな状態だ。


「でも、あんな所で何してたの?」


「いやぁ……はい」


 香丸こうまる先輩の声は、リビング隣にある対面キッチンから聞こえてくる。

 夕食の準備中なんだろうな?

 先輩の気さくな笑顔に誘われて、ノコノコ付いて来ちゃったのは良いけれど。

 こんな時間に突然お邪魔しちゃって、ホントご迷惑だよな。

 早くおいとましないと……。


「あぁ、別に良いのよ。男の子には言いたくない事がいっぱいあるんだって、雑誌で読んだ事あるしねぇ」


「えぇっと……はい」


「あははは。全部『はい』だねぇ。なになに? 緊張してるの? 自分の家だと思ってくつろいで良いんだよぉ」


 無理ムリ。

 くつろぐなんて絶対に無理。

 タダでさえ他人の家にあがると緊張するタチなのに、それが憧れの香丸こうまる先輩の家だったら猶更なおさらだ。


 それに、先輩のルームウェア。

 これがまた、めっちゃ可愛かわイイのよ。

 薄いピンクのソフトボアってヤツ?

 襟元が少々ルーズな所も、大人感アップって感じだよねぇ。

 はうはうはう。

 後ろからギューって抱きしめたいっ!

 もう、後ろからギューって!


「……ぎゅぅぅ」


「ん? ぎゅぅ?」


「ああっ! いいえ、なんでもありません! 大丈夫です。全然大丈夫です!」


 やべぇ!

 何が大丈夫なんだよぉ。全然大丈夫じゃねぇよ。

 思わず心の声が出ちまったよぉ!


「うふふ。まぁ、良っか。……ねぇ、折角来てくれたんだからさ、ご飯食べてくでしょ?」


「えぇっ! いっ良いんですか?!」


 うおぉ! やった!

 香丸こうまる先輩の手料理にありつける!

 正直に言うけど、ちょっと期待してたんだ。

 この時間だし、先輩だったらきっと何か食べさせてくれるんじゃないかなって。


 だって、そうだよね。

 今まであんまり先輩とは会話した事無かったんだけどさ。

 バイト先のかわいい後輩が近所の工事現場でうずくまっててだよ。

 そんな少年を放ってはおけないよね。

 うんうん。そうそう。

 そうに違いない……ってホントかぁ?


 いやいや、都合よすぎるぞ。

 そんな訳無いだろ?

 良く考えて見ろよ。

 そんなもん、絶対に怪しい高校生だよね。

 街の工事現場で全身血だらけ。

 しかも、右足なんてシューズすら履いて無い。

 絶対に関わり合いになりたく無い人、西東京地区堂々の第一位じゃん。


「おぉ! 始めて『はい』以外の単語が出て来たねぇ。もちろん良いよぉ。一人分作っても味気ないしねぇ。やっぱり二人分ぐらい作らないと、料理した気にならないでしょ?」


「へぇぇ。そう言うもんですかね?」


「そうだよぉ。ご飯食べたら家まで送って行ってあげるからね」


「あっ、ありがとうございます!」


 なるほど、そう言う事か。

 先輩はこの広いマンションで一人暮らし。

 そんでもって、一人でご飯を食べるのは味気ないと。

 うんうん。なるほど、なるほど。わかる。わかるよ。

 そんな時に、バイト先の男の子を見かけと。

 しかも工事現場で怪我をしている。

 これは可愛そう! ここで先輩の優しさに火が付いた訳だ。

 気分は段ボールに入った子犬を拾って帰る、優しいお姉さん的な感じなんだろうけどね。

 まぁ、この際だ。

 子犬だろうが子猫だろうが構わない。

 ありがたくこの御恩を受ける事にしよう。


「いえいえぇ。でも、私まだ車の免許取ったばっかりだからね。事故っても知らないよぉ」


 え? ここは笑う所か?

 どうなんだ?

 大人のシュールジョークだよね?

 もしかしたら、最初っから優しさなんかじゃなくって、運転の練習に『命がけ』で付き合えって事か?

 うん。わからん。


「あははっ……ははっ……はははっ……」


 とりあえず、笑ろとこ、笑ろとこ。


「さて、晩御飯までもう少し時間がかかるから、先にお風呂入って来たら?」


「えぇっ! お風呂……ですか?」


「そうだよぉ。だって犾守いずもり君ったら泥だらけじゃぁん。そんな汚れた格好で女子の部屋に居座るなんて、許されると思うぅ?」


 いやぁん。

 先輩ったら、無理やり怒った顔を作ろうとしてる!

 はうわっ!

 可愛かわよ。めっちゃ可愛かわよ。

 ちょっと膨れたほっぺが、めちゃめちゃ可愛かわよだよぉぉ!


「ごめんなさいっ! そっ、それじゃあ、お風呂……頂いても……」


「どうぞぉ」


 再び先輩が視線を手元に戻し、夕食の準備を続けようとしたその時。

 僕のとなりから小さな鳴き声が。


「ミィー、ミィー」


「あぁ、ネコちゃんも居たんだよねぇ。あらぁ一人になるのが寂しいのかな? それじゃあ、ネコちゃんも一緒に連れて行ってあげたら?」


「はっ、はいっ、ありがとうございます!」


 僕は隣に居たクロを急いで抱きかかえると、教えてもらったバスルームへ足早に向かったんだ。


 そう言えば。

 このマンションまでの道すがら、先輩とはかなりクロの話題で盛り上がったんだよな。

 どうやら、先輩もネコが大好きみたい。

 もう、クロのお陰で、めちゃめちゃ先輩と仲良くなれた感じがするもの。


「にしても、先輩、めっちゃ可愛いかったなぁ。ヤバい。キュン死寸前だ。めっちゃヤバい」


 僕はそうつぶやきながら、教えられたドアを開けたんだけど。


「うぉうっ! ムッ、紫っ……」


 目の前に突然広がるのは、レースで彩られたお花畑。

 しかも、最前列に吊るされているのは、紫地のスケスケレースに黒バラが施されたっ……。

 ここは? ここは天国? それともあの有名な、桃源郷パラダイスなのか?

 とそこで突然、激しいスリッパの音と険しい声がっ!


 ――バタバタバタッ!


犾守いずもり君っ! 目ぇつむって!」


「はっ、はいっ!」


 僕は先輩の指示に従い、直立不動で目をつむってみせる。


「ねぇ、見た? 見たでしょ? 忘れて、絶対に忘れてねっ!」


「あはは……」


「いつもこんなの穿いてる訳じゃ無いからねっ! たまたま、たまたまなんだからねっ!」


 先輩ったら脱衣所に干していた洗濯物下着類を一気に取り込むと、大慌てで隣の部屋へ。


 いやいや、たまたまにしてもねぇ。

 先輩ったら、マジでこんなの穿いてるんだぁ。

 やべぇ。めっちゃ想像しちゃったわ。

 あの豊満なワガママボディに、紫の……。

 うぅぅむ。

 大人のフルメタルアーマーは防御力こそ微妙だけれど、破壊力だけは満点だな。

 

 ――キュッ、シャァァァァ……


「ふぅ」


 その後僕は早速全身の汚れを洗い流し始めたのさ。

 体に付いている血や埃は、軽くこするだけで簡単に取れてしまう。

 確かに、僕自身の体にはどこにも怪我は無い様だ。

 この血だって、元々は服に付いていた如月さんの血が体に付いただけって事なんだろうな。

 痛みどころか、みる箇所すら有りはしない。


「この能力……やっぱスゲェなぁ」


 まぁ、そんな事より。

 先輩の家のお風呂に入っちゃったよぉ。

 もう、夢みたいだ。

 何だろこれ? あぁ、バスキャンドルかぁ。

 どうりで良い香りがすると思ったぁ。


 と、僕が先輩の家での初めてお風呂を心から満喫していると、いつの間にかクロが僕の傍に寄り添って来たんだ。


『タケシ、あのメス、発情しているぞ』


 おいおい、クロよぉ。

 言うに事欠いては無いだろう、は。

 いやいや、アリなんだけど、アリなんだけどもぉ……。どっちかっちゅーと、ナシ寄りのアリかな。


「だっ、だからどうだって言うんだよ?」


 あははは、自分でも動揺しているのが分かる。

 だって、声が震えてるもの。


『折角洗礼されている人間を見つけたんだ。とりあえず私か、お前の奴隷にしてしまうのが得策だろう』


「いや、マジで言ってるのそれ、本気で先輩を奴隷にしちゃうの?」


『正確には奴隷契約を結ばせる……と言う事だな。当然相手の合意が必要だ。お前にその気が無いのであれば、彼女は私の物にするが、良いのか?』


「ダメ駄目! 絶対にダメだよ! それより、先輩が洗礼を受けてるって事は、教団関係者って事なんじゃないの? 後で色々とバレたらヤバいんじゃないかな」


『うむ。洗礼の状態は基本的に親から子へと伝達される。だから、本人が洗礼を受けていないとしても、洗礼された状態になっている事はありえなくもない。実際、彼女の手を舐めてみたが、神の紋章は現れなかった。恐らく彼女本人が洗礼を受けたのでは無く、その祖先に洗礼を受けた者が居ると言う事なのだろう』


「なるほど。本人は自覚して無いって事なんだね」


『実際、お前自身も私が接触する前から洗礼された状態だったんだぞ』


「え? マジ。それ、マジなの? って事はウチの両親のどっちかが、教団関係者って事?」


『それはわからん。ただ、少なくともお前自身は我々と何らかの所縁ゆかりがあると言う事だ』


 ほぉぉ、所縁ゆかりねぇ。


 僕の家族とクロの間に、一体どう言う所縁ゆかりがあるのかは分からない。

 ただクロの話によると、数は非常に少ないものの、クロ達の住む世界と関係を持った人間がこちら側の世界にもいる事はいるらしい。


 さて、他人の家で、長風呂するのもなんだか失礼な感じがするしな。

 僕は嫌がるクロを多少手荒に洗い終えると、少々早めに風呂からあがる事にしたんだ。


「あれ?」


 先程脱いだ僕の服が無い。

 しかも、脱衣所の棚の上には、男性用のジャージが。


 うぉっ! マジか。マジなのか?

 男物じゃん。

 これ、めっちゃ男物じゃん。

 男物が出て来るって事は、やっぱり先輩ったら誰かと同棲してるんじゃ……。


 突然脳内で沸き起こる淫乱いんらんな妄想にふけりながらも、何気に視線は洗面台の上へ。


 ってマジかよぉ!

 洗面台のコップに、歯ブラシ二つあるじゃん!

 めっちゃ二つ入ってるじゃぁぁん。


 なぜかモヤモヤとしたものが胸の奥から湧き起こって来る。


 誰だっ、誰なんだ!

 先輩とこんな高級マンションで、イチャイチャしてるヤツはっ!

 しかも歯ブラシまで置いてあるって事は、一緒にモーニングコーヒーを飲む仲って事だろぉ? ……いや、知らんけど。


 などと、言いようの無い怒りに翻弄される続ける僕は、更に男物ジャージの上に置いてあるブルーの布に気付いたんだ。


 ん、何? これ……? これってまさかッ!!


 はうぅっ!


 男性用のトランクスまで置いてあるじゃーん。


 うきぃぃ!


 いやいや、ありがたいんだよ。めっちゃありがたいんだよ。

 だって隣で洗濯機が静かに動いてるもの。

 きっと、先輩が気を利かせて僕の服を洗ってくれてるんだよね。

 って事になると、今穿く下着が無いって事だもんね。

 うんうん。

 そうだよね。本当に良く気が利く先輩だよっ。


 でもね。でも……。

 先輩の彼氏と思われる男のトランクスって!

 しかも、それを穿くって!!

 それって、如何いかがなものなのぉぉ!。


 穿いちゃって良いのかなぁ。

 でもなぁ。知らない男のトランクスって、抵抗あるよなぁ。

 いやいや、知ってる男のトランクスはもっとヤダよ。

 地球が滅んだとしても、店長のトランクスに手を付ける気はサラサラ無いからね。

 それだったら、僕は堂々とフルチンで過ごして見せるさ。


 それに僕、別に潔癖症って訳じゃないんだよ。

 だけど……普通、他人のトランクスってなかなか穿く機会って無くない?

 その初めての経験が、想いを寄せる先輩のマンションで。

 しかもその彼氏が穿いてたトランクス……ってっ!

 めちゃめちゃハードル高くねぇ?

 穿ける? ねぇ、それ出されて、あなた、穿けると思う?


 と言う壮絶そうぜつ葛藤かっとうの中、結局僕はそのトランクスを手に取ったんだ。


 ちくしょう! 穿いてやる。

 あぁ、穿いてやるさ!

 いったい何処の馬の骨が穿いたか分からないトランクスだけど、正々堂々、穿ききってやるよっ!


 って言うかさぁ、逆に今日からこれは僕のトランクスだ。

 そうさ、彼氏のトランクスじゃない。もう、僕のトランクスだって事にしよう。

 そんでもって、帰る際には、ちょっとシミぐらい付けてやろう。

 あぁ、そうしよう。絶対にそうしてやろう。

 最後に爪痕つめあとの一つぐらい残して行くのが、オスの心意気ってもんさ。


 何だかよく分からない踏ん切りをつけた僕は、そのトランクスを腰の高さまで一気にずり上げてみせる。

 しかも、先輩の彼氏が着ていたであろうジャージにまで袖を通す結果に。


 うぅぅん。ほんのり良いかほり。

 あぁ、柔軟剤の香かなぁ。

 今度から僕の家でも、この香り使おうっと。

 えへへへ。先輩の家と同じ香りぃ!


 って! チクショウ。

 先輩の彼氏も風呂上りにこの香りに包まれてるって事かぁ。

 ぐぬぬぬぬ。

 やっぱ憤懣ふんまんやるかたないっ!

 これは追求せねばなるまい。

 先輩の彼氏がどう言う人なのかっ。

 そして、その彼氏のトランクスを僕に穿かせると言う、一種傲慢ごうまんとも受け取れる悪魔の所業しょぎょうを生み出した、先輩のその気持ちと言うものをっ!

 絶対に言い逃れなど許すまじ。

 何が何でも糾弾きゅうだんせずにはおられんっ!


 僕はちょっと不機嫌な様子でリビングに戻って行ったのさ。

 

「あぁ、早かったねぇ。お風呂の具合どうだったぁ?」


「はいっ、とっても良いお湯でしたっ! ありがとうございますぅ!」


 ……無理だ。


 あんな屈託の無い笑顔を見せられては。

 一言だって文句を言う気になんて、なれやしない。

 と言うか、もし文句を言うヤツがいたら、僕が後ろから金属バットで殴り飛ばしてやっても良い!


 既に方向性ブレブレではあるけれど、これが普通の青少年の精神状態である事は自分が一番良く分かってる。

 美人の言う事は、とにかく絶対服従なんだ。


 僕は先輩に促されるまま、リビング中央のローテーブル脇に座ったんだ。


「おほほぉ……」


 めっちゃ旨そう。

 めちゃめちゃ美味しそうじゃん。

 何コレ、ビーフシチューだよね?

 そうだよね。それだよね。

 それから、このトマトのサラダっぽいヤツって……あのぉ、なんだっけ? えぇっとぉ、あぁ、そうそう、カプレーゼ! そうそうそう、カプレーゼだぁ。

 めっちゃ綺麗、めっちゃ綺麗だわぁ。

 ウチのレストランで出てるヤツより、数倍美味しそうっ!

 なんだよぉ、先輩ったらウチのシェフより全然上手じゃん!


「さぁどうぞぉ、召し上がれぇ。今ピザも焼いてるから、もうちょっと待ってねぇ」


「ほっ、本当に食べても……?」


「あははは。当たり前じゃん。犾守いずもり君に食べてもらう為に作ったんだよぉ」


 マジか……マジなのか?

 ぼぼぼ、僕の為に作ってくれたと言うのか?

 そんな事あって良いのか? そんな幸せ過ぎる事があっても良いものなのかっ!?


 それではお言葉に甘えて、早速ひと口。


 ――パクッ


「うぅぅぅむむむん……」


 僕はその味を確認するかのように、ゆっくりと噛みしめてみる。

 口の中で厚めのお肉がホロホロと崩れて行く食感が面白い。

 しかも、軽い酸味とコクのあるスープが口中いっぱいに広がって……。


「どう? どうなのよ?」


 先輩ったら、めっちゃ心配そうに僕の事覗き込んでくるぅ。

 って言うか、その仕草ヤメテ―!

 先輩のルームウェアったら、襟元がルーズなんだものっ。

 その大きく広がった襟元のその奥には。

 なんと『たわわ』なっ……!


「たっ、たわわ……」


「ん? たわわぁ?」


 ヤベ。

 またヤッた。

 僕、何言ってるんだっ!?


「あぁ、いやっ、たったったっ、たわわに実った……トトト、トマトの酸味がとても印象的でっ、しかも芳醇なこの味わいっ! めっちゃ旨いっす! めちゃめちゃ美味しいですぅ!」


「あら、そう! よかったぁ。犾守いずもり君に喜んでもらえてぇ。それに本当はもう少し煮込んだ方がもっと美味しくなるとは思うんだけどねぇ」


 危なぁぁあいっ!

 なんだよ、その『たわわに実ったトマト』って、突然食レポ始めてるみたいでわけ分かんないよぉ!

 でも乗り切ったっ!

 とにかく勢いで乗り切って見せたぞぉ!


「まぁ、こっちの『たわわ』な方は、まだ犾守いずもり君にはお預けだけどねぇ。うふふっ」


 香丸こうまる先輩ったらっ、自分の『たわわ』なヤツを両手で恥ずかしそうに抱きかかえちゃったりなんかしちゃったりして。

 しかも僕を見つめながら、可愛かわゆく、身動みじろぎしてるじゃありませんか!

 イヤイヤァって。

 イヤイヤイヤァァ……ってぇ!


「……あっ……ははは……ははは?」


 やっぱりバレてたぁぁぁぁっ!

 はずかしー! めっちゃはずかしぃぃ!


 そうだった、そうだったよ。

 今日バイト先で如月如月さんに変身してた時だって、散々感じたあのエロエロな視線!

 当然、先輩なんて多くのエロエロ男性に見つめられ続けて幾年月いくとしつき

 僕なんかみたいな『ひよっこ』とは比べ物にならないぐらいの見られ上手に決まってる。

 って事は青少年ガキのド直球な視線なんて、手に取る様に全てお見通しって訳かぁぁ!


 ひぃぃぃ! 穴があったら入りてぇぇ!

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