第91話あとがき

「置き去られた花嫁は、辺境騎士が捧げる切ない愛に気がつかない」


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「ざまぁ」を期待された方には物足りないかもしれません。でも、激しく後悔したり、暗黙の内に引き下がったりと、破滅型の「ざまぁ」ばかりではないと思ったのです。

 しかしながら、置き花は、自分の中で色々挑戦した作品です。


 まずは長いタイトル。

 あらすじのような長いタイトルは、本当は苦手なのです。

 でも、昨今の流行りを見ると、本編の内容をタイトルに反映させることで、安心して読んでくださる読者(きっとお若い)が多いということなので、精一杯長くしてみました。

 私のような弱小作家は、まずは読んでいただけないと何も始まらないと思ったからです。

 さすがに、2行以上あるような超ロングタイトルにはできませんでしたが、おかげで少しは多くのご反応をいただけたと思います。


 次に毎日更新。

 これはなかり厳しかったですが、お休みしたのは1日だけで、やり抜きました。

 自分の本来のペースは、4000文字くらいを週に1〜2回更新なのですが、これも今のスタイルに合わせました。

 自分は仕事も、家庭もあるので、正直めちゃくちゃ大変でした。しかも、今回は要望にお答えして、4つの投稿サイトに同時更新でしたので。

 これも努力の甲斐あって、たくさんのご新規様をお迎えすることができました。

 古くからの私の読者様には、もっと読み応えのある長さがご希望だったでしょうが、すみません。


 後はTwitterで、キャラの呟きや衣装イメージを公開したりもしました

 ものつくりが大好きで、生き物や鉱物、レトロ建築などが好きすので、これからもさまざまなことを呟きます。

 もちろん、新規連載などの創作情報や裏話もあります!

 https://twitter.com/punnyago

 フォローしてくださると嬉しいです。


 それから、これも苦労しましたが、自分の苦手なカタカナ語を使用しました。

 卓をテーブルに、杯をカップに。

 ものすごく地味ですが、自分のこだわりを捨てることで、今風にしようとしたのです。


 これらは、決して妥協の産物ではなく、新しい読者様を開拓するために、自分を変えていこうという前向きな努力だと思っています。


 ともあれ、無事に完結することができました。

 次回作は多分ムーンライト仕様になると思います。

 少しプロットをはじめたりしたのですが、生来の不器用者で、同時進行が難しく、これから地道にしっかりしたプロットを完成させ、ある程度書き溜めたら、連載を始めようかと思います。

 いつになるかは分かりませんが、Twitterなどで進捗状況などを呟きますので、どうぞまたお越しください。

 仮タイトルは、副題付きで


「氷王の最愛 ー記憶を奪われた巫女姫は、幼馴染の騎士王に愛し抜かれるー」


 くらいになるかな?

 これまたまだ分かりません。全然違う作品になるかも。

 というか、書けるかどうかも不明です。


 最後に

 おまけという訳でもないのですが、嫌われキャラ、ナンバーワンのアンテについて少しその背景を語りたいと思います。


 彼女はおそらく30代前半の大柄で頑丈な、典型的な辺境の女。

 両親とともに、痩せた農場を経営していましたが長年の苦労が祟って両親は既に他界。

 彼女は最後まで両親に尽くし、農場を守ってきましたが、結局はその農地も手放します。

 そこに来たのがエルランド。

 彼は古い城を拠点とするために人手が必要でした。

 兵士は無産階級なので、食べたり着せたりしなくてはなりません。

 そこで、城の奥向きの切り盛りができる人材を探していたのですが、宿屋で精力的に働くアンテに目をつけ、スカウトしたのです。

 アンテは多分、他のひちたちと同じように、新しい領主となったエルランドを警戒していましたが、給料にひかれて仕事を引き受けました。

 そこで辺境のために尽くすエルランドに、次第に傾倒するようになったのです。

 彼はアンテよりも少し年下ですが、見目も体格もいいエルランドに、淡い思いを抱いていたかもしれません。しかし、自分の身分や容姿では、エルランドに釣り合わないと悟っていたのでしょう。


 彼のために、アンテはよく働きました。自分の下につく女達を募り、役割を分担し、農場経営の手腕を生かして、奥向きの経理も担当しました。辺境の人としては教養人でもあったようです。

 多分彼女の父が、若い頃、街で教育を受けた人だったのでしょう。

 そして、エルランドについて隣の領地に行った時、ウルリーケに出会いました。

 ウルリーケはアンテが理想とした姿をしていました。

 大柄で丈夫で、そして美しく、武芸も教育もある。

 アンテは彼女こそエルランドに相応しいと、いわば自分の報われない無自覚な恋の代理として彼の妻になって欲しかったのです。

 だから、突然現れたリザには、敵愾心しか持てなかった。

 アンテがリザにした意地悪は、絶対にやってはいけないことですが、アンテにはアンテなりの背景があった、ということでした。

 でも、本編でこんなこと書いてもつまらないので、描かなかったので、読者の皆さんからは当然ながら嫌われてしまいました。

 最後に、もっと「ざまぁ」を期待された方には消化不良だったかもしれないことをお詫びいたします。

 破滅型のざまぁは、あまり得意ではないのです。

 兄上はしばらくうなされるかと思いますが、周囲に支えられて王家を運営するでしょう。彼の息子は意外とデキブツ(お嫁さんが偉かった?)なので、さっさと退位していただきましょう。


 以上、裏設定でした。

 もし、リザやエルランドについて質問があれば、答えられるようなものならお答えしようと思います。

 感想らんなどでどうぞ。


 それでは、ここまで本当にありがとうございます。

 次回作で是非お会いしましょう!


                    2021、2、12 文野さと

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