トンネル抜けたら異世界チート~建築基準法は適用されないようです~ 【休載中】

そーび

第1話 キャンプ行こうぜーってここどこよ?

「うん?ここ…どこだ?」



俺、篁臣治(たかむらしんじ)は週末から行く友人達とのキャンプ用具と食料を買いに行った帰り、いつも通る家の傍のトンネルを抜けると見渡す限りの草原になっていた

何言ってるかわからないよね?

大丈夫、俺もわかってないから



「カーナビは……表示されてないな、携帯も圏外。」



というか今通ったトンネルも見当たらない


人っ子1人いない


辺り一面どこまでも続きそうな草原しかない


上を見上げれば、突き抜けるような青い空


視線を下げれば、遠くに見える美しい山並み


わからん


とりあえず現状を振りつつ持ち物チェック



「んー、家の近くのトンネル抜けたら草原。しかし通ったはずのトンネルはどこにもない。さっきスーパーで食品等を購入したから食料はある。12人分の1週間強の食料だから俺1人なら食い詰めれば3ヵ月は生きられる。医療キットもある。衣服は8日分くらいある。水は買ったのと車のタンクに入れてあるし、携行缶にガソリン20ℓとお酒やソフトドリンクも大量にある。キャンピングカーだからシャワーもトイレもある。」



他にはキャンプ道具と今晩と朝に食べるようと思ったお弁当が積んであった



「こんなことになってあれだけど、意外と冷静だな俺。」



ここはどこだろうか?小説とかでよく見る異世界転移とかいうやつであろうか?


思い返してみよう


そもそもここに至るまで走っていたのは都内、それも23区だ


地下でもないんだからカーナビが使えないなんてことは、ほぼない


普通に考えて夢か幻か異世界か、…かなり暴論だがそんなところだろう



サァー



窓から出す顔を撫でる風が心地よい



「いやほんと冷静だな俺。うーん、どうしたもんかな。ここにいてもしょうがないし、とりあえず車走らせながら考えてみるか。」



さいわいなことに草原は芝生ぐらいの背丈しかない


無理に進んでタイヤとかシャフトに草が絡まったら大変だもんな


お高いキャンピングカーだから傷つけたら親父に殴られるだけではすまない



「まー、なるようにしかならんよな。しっかし親父のア〇リアモービルsonic、草原だったからよかったけど森だったら一発アウトだったな。」



如何せんこのキャンピングカー、4トントラック並みに大きいのだ


そんな車で舗装もされていない森の中を走れるはずもない


ゆっくりアクセルを踏んで進みだす


今のところ草原しか見えないが、途中車が通れないような穴が開いていることがあるかもしれないなどと思いながら車を走らせること3時間



やっとこさ道のような場所に出た。道だよな?道に違いない。道だったらいいな?。…しつこいが轍あるから道だと思う。



それなりに整備されているようだが所々水たまりがある


気を使いながら3時間も走ってきて、そこそこ精神的に疲れているのにまた気を使いながら走らなければならないのかと思うと、なかなか進む気になれなかった



「これトラック運転手じゃなかったら結構大変だぞ…。」



俺は元々トラックドライバーをしていたことがあるので大きな車での運転の注意点はわかっている


普通車と違って車幅とホイルベースが広く車高も高い分大変なのだ、大変さは割愛する


道に入る前に一休みだなと晩飯にする予定だった、のりシャケ弁当を車内備え付けの電子レンジで温め、食後にタバコを吸うことにした



「カートンで買ったけど、これなくなる前に帰れるのだろうか?それともタバコ売ってるだろうか?てかよくよく考えたら人がいるかわからなかったんだよな。轍と足跡あるから少なくとも馬車とかを使用する生き物はいるみたいだけども…。」



タバコを根本ギリギリまで吸い、灰皿に入れた


ちとケチくさいが、この先どうなるかわからないので少しだけ節約する


気持ちの問題かな?と時計を見ると午後3時。太陽の位置から考えても大体そんなもんだろうと思う


さて道は右と左に別れている


どちらに進もうか

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る