第20話

問題はその後だ。

高原がUFOだと大声を出した

ときに、誰もが高原に冷たい視線

を向けてはばからなかったのだ。

「なっ、なんだよ」

高原がそういうと、

「高原、オマエはお気楽でいいな!これだから

大学受験しないやつは困るよ」

クラスメートの飯島が皮肉たっぷりに攻撃して

きた。

高原は若かった。気がついたときにはもう、飯島に

馬乗りになって飯島をボコボコにしていた。

  

「懐かしいな」

「さあ、家の中に入ろう」

高原が中川の背中を押して、そう促した。

そのとき、家の外が明るく輝いた。

二人が急いで外へ出る。

そこにはなにもなかった。

ただ風が吹いているだけ。

ただ風が吹いているだけ。




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