第19話
あの白い夏のやうに
「なあ」
高原尚人が隣にいる幼馴染の中川和夫に
たずねた。
「あの夏のようなことがまた起こったらお
まえどうする」
蝉が泣いていた。あのときも蝉時雨が凄まじか
った。まるで何ごとか起こることを察知して
泣き喚いているかのように。
あれは二十年前の夏。高原と中川が高校一
年、十六才のときのことだった。
その頃二人は受験勉強に忙しく、身の回りの
ことをかえりみる余裕など微塵もなかった。
そのときだった。
突然、辺りが光に満たされたかと、思うと
窓の向こう側の空に、未確認飛行物体が浮かん
でいたのだ。
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