第102話 美少女2人
「シリウス様、それにフィリアさんも来てくださったんですね。お迎え心待ちにしておりました」
準備を終えて、荷物を全て送ると、フィリアを連れて次に転移したのはシスタシア王国にいるフローラの元だ。
こちらもここ数年で更に可愛さが増している、綺麗な青色の長い髪と空色の瞳の美少女である、フローラだが、婚約者の中で1番俺と口付けを交わしているのは間違いなかった。
理由としては、彼女の体質である『疫集めの呪い』の体質の解決策がキスによる治療なので仕方ないのだが……なんと言うか、婚約者との口付けなのに未だにドキドキするのは、やはりそれだけ魅力的だからだろう。
その点で言えば他の婚約者もそうなんだけど……まあ、俺が婚約者に弱いだけかもしれないが、そこはスルーで。
「お待たせフローラ」
「こんにちはフローラさん。今日からよろしくお願いしますね」
「はい、こちらこそ。シリウス様やフィリアさんと一緒の生活凄く楽しみです」
嬉しそうにそんなことを言われるが……まあ、これまでは俺と居られる時間が長かったのは共に生活をしていたセシルやシャルティア、ソルテ辺りだけだったので、自分達もそこに加われるのが嬉しいのだろう。
ここまで想われると婚約者冥利に尽きるよね。
「準備は大丈夫そう?」
「はい、シリウス様に運んで頂いたものと、ここにあるもので最後です。あとはアンネ達も向こうに行くだけらしいです」
フローラの嫁入りに際して、何人かフローラのお世話係として着いてきてくれるメイドさんやヘルメス義兄様から紹介された家臣も俺の領地入りさせることになっているのだが、その筆頭であるフローラの専属お世話係のアンネは旦那さんと子供と一緒に俺の領地に来てくれるそうで、何とも有難い。
アンネはフローラのお世話係が長くて、フローラのことも娘のように大事にしてくれているし、その旦那さんも優秀な騎士さんなのでウチの領地には必要不可欠な人材とも言えた。
フィリアの家からも何人かはウチに来て貰っているのだが、本当にアスタルテ伯爵とヘルメス義兄様には感謝しないとね。
娘の早めの領地入りだけでなく、人員まで送って貰えて、本当に有難い。
「じゃあ、サクッと済ませて2人を向こうに送るよ。あ、その前にヘルメス義兄様に会いに行くけど、2人はどうする?」
「お供致します。婚約者としてご挨拶したいので」
「私もお兄様に挨拶してから行きたいです」
俺の正妻として、この歳ながら既に落ち着いているフィリアさん。
マジで年々バブみが深まってるような……うーむ、これはもう一生俺はフィリアには勝てないかも。
勝つつもりもないけど。
そして、そんなフィリアの落ち着きに似ているフローラの方は、兄に出発前の挨拶がしたいということらしい。
事前に本日から俺の領地入りすることは知られているので、昨夜は身内で盛大なパーティーが開かれたらしいので、挨拶は済ませてるだろうが……まあ、フローラとしても良くしてくれた兄には色々言いたいこともあるのだろう。
「じゃあ、行くとしようか。多分、ヘルメス義兄様のことだし、予想してこの時間は空けてるだろうからね」
俺が遺跡から発掘した、携帯のような魔道具の関係もあって、前よりも仕事の能率が上がってはいてもお忙しいヘルメス義兄様だが、こういう時の勘の鋭さとかは流石と言うべきか、おそらく俺達の来るタイミングは分かっているだろうし、今の時間は直ぐに会えるはず。
まあ、それが無くても会えるには会えるが……あまりお仕事を邪魔したくないから、弁えてはいるつもりだ。
そうして、ヘルメス義兄様の元に3人で向かうが……右手に銀髪美少女フィリアさん、車椅子でのエスコートで、青髪美少女フローラさんと華やかな美少女2人に囲まれるが、決して人前で惚気けている訳では無いと断言しておく。
そう、これは婚約者との健全なスキンシップなのだ。
フローラとは腕を取って歩いてないけど、この車椅子でのエスコートはフローラのみの特権なので、彼女的にはこれが気に入ってるようだし、フィリアとも競走にならないので仲良くいられる。
うむ、実に平和だ。
……まあ、城の人達はそれを分かっているように暖かい目で見守ってくれているのだが……本当にありがとうございますと内心お礼を申しておく。
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