底辺ワナビーに祝福を!
ウゴカッタン
底辺ワナビーの生態
「あ、みてみてー! 底辺ワナビーだよ! かわいいね!」
底辺ワナビーとはカンガルーの一種であり、有袋類、本来なら子供を袋に入れて二本足でジャンプする生き物なのだが、ここカクヨムでは作家である。
「あ、みてみてー! おなかの袋から紙とペンを取り出したよ! かわいいね!」
底辺ワナビーとは、基本的に見世物であるが、野生の底辺ワナビーはカクヨム動物園では見ることが出来ない、このように時々走っているバンに乗ってカメラ撮影することが出来るかどうかというものであるが、この底辺ワナビーどれくらい需要があるのだろうか?
「あーおもしろかった! 次は麒麟さんを見に行こう!」
麒麟が来る、底辺ワナビーを観察するよりもキリンのほうがおもそいというのは、確かな話であり、そりゃそうだ、明智光秀かっこいいもんな、とりあえず大河ドラマとカクヨムの作品を比較するのはよせよ、歴史考証からあらゆるスタッフまで超一流のプロがやってるもんと、たった一匹の底辺ワナビーたちに支えられて回ってる業界を比較するもんじゃあない。
「そういえば麒麟って平和の証で、訪れるとその世界は平和になるんだって!」
底辺ワナビーはむしろ訪れた場所で地獄を見て、ワナビー同士で地獄の様相を眺め合うのが基本である、どのような地獄であっても克明に描き続けることでいつか出版社から声を掛けてもらえると信じている野生の底辺ワナビーは正直枚挙にいとまがなく、ここカクヨムフィールドで散見されるわけであるが、麒麟なんてクソくらえである、平和などがもたらされたとしても作家業で大成できるわけでもなし、心の平安を保つためだけに日々を綴っている底辺ワナビーの執筆スピードを見れば、君も愕然とするに違いないのであるから、だって七千字書くのに二時間掛かってるような弱小であるぜ? 二時間は120分だ、七千字を120で割ったらいくらが残る? 一分間で58文字程度だ、なんて遅筆なんだ、一秒あたり一字のペースでタイピング出来てるわけで無いってことだ。 だがそれも仕方がない話なんだ。
「そうそう、日本底辺ワナビーってタイピングするのにわざわざ日本語をローマ字を変換して打ってるらしくってクソ遅筆なんだって、もっぱらの噂だよ」
「えええー!? かわいそー! 音声入力なら一発なのにねー!」
時代は変わりつつある、今や音声入力の文字変換の仕組みが強くなっていって、分速200字以上描けるのが基本になってきてる、そう考えたらいまカタカタとタイピングしてる底辺ワナビーやペンでものごとを書きつづってる底辺ワナビーの価値とはなんであろうか?
「日本に生まれたことって底辺ワナビーにとって不幸以外の何物でもないかもね」
一分間58文字、たったそれだけのことを十時間続けても600分間続けたとしても、58*600=5800*6=34800 3万4800字である。 たったそれだけしか書けない、底辺ワナビーは無力である、その無力な底辺ワナビーにいかにして文字を書く力と勇気と、そして人に見てもらえる答えを得るというのか、それはもう分かったものでは無い、だが底辺ワナビーはおよそ短い一年の寿命、カクヨムリワードによって定められた底辺ワナビーの寿命、どれだけ書いてあがいても一円にもならずに一年で寿命を終えたワナビー達を今まで何度も見てきた。
「まあ、カクヨム自体、日本のツアー会社だからねえ、さあ、もっと面白い作家を観察しにいきましょう、本物の作家ってツイッター芸が面白いんだから!」
分かっている分かりきっている、一日1PVを得るのもままならない底辺ワナビーにとっては、書いても書いても答えにたどり着かないのは目に見えたことなのだ、それを可能とする方法や術を持ち合わせずただ、自分の欲求のみにぽつねんと向き合うだけになってしまった彼をどう呼び支えればいいのか? それは謎であり難しいことである、だが底辺ワナビーが相互扶助関係を300人のフォローフォロワーと結ぶことが出来れば、こうはならなかったはずである、底辺ワナビーは群れをなすのが苦手な生き物であり、孤高であり孤独を愛している、だが300人のフォローフォロワーがいたら話は別である、互いに300PVが約束されてる関係になれたなら、それぞれが、情けからでも皆の作品を斜め読みして、応援と星をつけ、PV数を一ポイント恵み合う仲になっただろう、そうなると、300の底辺ワナビーの群れは、7000字の短編小説を一日で50作書くことが出来れば、互いに毎年3000リワード以上は約束されたものなのである、それこそが底辺ワナビーの理想郷、年産50作の短編ユートピア、底辺ワナビーランドである。
「そういえばワナビーって群れをなす習性が無いから、いくらカクヨムしてもその場しのぎで冬を越せないらしいわ」
「可哀そう、可哀そうだわ、人間に生まれることが出来ればもっと長い寿命を持てたのにねえ」
底辺ワナビーランドを築くことこそがカクヨムで生き残るための方策である、底辺ワナビーランド、それはカクヨムを正攻法で攻略する方法であり、作家たちに求められる態度である、どれだけ一億文字を書いてもだれも見向きしないならそれは文章のコミュニケ―ションの基本が成り立っていないということだ、ならば、我々は底辺ワナビー同士で300の群れをなすことを望もう、それこそが鉄のおきてであり、300人が3000リワードを獲得したとき、90万円をその群れはカクヨムから合法的に獲得することが出来る、わずか50作を書いて、1万5000作品を流し読みしただけで得られる結果の世界である、だが、それは本当に理想郷なのだろうか?
底辺ワナビーランドに疑問が残る。
「作家って短編一作で最低15000PV稼げなきゃ才能無いらしいからねえ」
「それ聞いたことあるわ、そりゃそうよね、そうじゃなきゃ作家なんてする意味無い無い、底辺ワナビーにでも生まれなきゃまず作家になんかなろうなんて思わないものだからこれからはアクセス数を増やすためにバズるのが一番なのよ」
一万五千作品をながしよみするということがどういうことか考えたことがあるだろうか? とうぜん、300作品を一週間かけて読むということは一日43作品を読むくらいの勢いで行われる。 一週間で七千字の小説を一作書いて、一日にみんなの書いた作品を43作品反応する、これは実を言うとかなり作業量が多い。 読むほうがメインになっているといっても過言ではない、それはほぼほぼカクヨムに飼いならされた犬という具合だ、たかだか、年間3000円得れるか分からないことの為に? 300のワナビー達が皆同じ生態を共有するというのか? 底辺ワナビーランドはそれこそ地獄なのではないだろうか? これが読者層をあまり拡充出来てないカクヨムのいびつさを表したことである。 要するに読み専が作家の300倍いなければ、本当はカクヨムリワードなどという仕組みは成り立たない、にもかかわらず書き手=読み手のような名前でカクヨムと位置付けた結果として、作家が一日で50作品以上の短編を読まなければ書いてもゆるい連帯関係である底辺ワナビーランドを築けないような地獄の様相、君はこのことに何を思う? これは共同体幻想をカクヨムは否定したということである、そしてカクヨムは底辺ワナビー達に対してびた一文も払う気はないという姿勢である、かのカクヨムが望むのは読者を引っ張ることのできる大作家であり、大作家を作ることが出来れば、大文豪を作ることが出来れば、そもそも、作家などどうでもよく、底辺ワナビーなどいくらでも犠牲に出来るという考えなのだ。 一年の寿命も持たない生き物に興味は無いというその姿勢自体に、君たちは何を感じただろうか? そこには作家に対する冷徹な態度があった、そして圧倒的な文民統制、シビリアンコントロールによって読者と作家を永遠に支配するカクヨム上層部の私欲があった、底辺ワナビーは覚醒するしかない。
「ねえ、あの底辺ワナビー、さっきから私たちについてきてない?」
「え、怖い、まさかそんなことって」
読者獲得闘争である、一人でも多く読者を得る為なら命を果ててもいい、PVの多そうなところにぶち当たっていって、一つでも多く撃沈する覚悟こそが、底辺ワナビーの必殺技であり、ばしばしと殴られ続けることでのみその精神性は絶対の堅牢な城となって全ての読者に見せつけることが出来る、底辺ワナビーは今まさに読者というカクヨムパーク内にいる観光気分の奴らの前で腹切りショーを披露する一匹の芸人と化したのだ! さあ刮目せよ! 我こそが底辺ワナビーの期待を一身に背負った、愚者たちの英雄! やってやる! バズってやる! 炎上覚悟で攻めてやる! でなければ、生きる意味はない! 趣味など知ったことか! 人の心など知った事か! 私は底辺ワナビーだ! 手段は決して選ばない! ただ3000円のカクヨムリワードの為に、この執筆の熱量を全身全霊を持って傾けて全てに対して逃避してくれる、投資してくれる! やってみせる! さあ刮目せよ我が執筆態度を!
「あら、書きながらずっとついてくるわ、こっちのビューワーに自分の描いた小説を見せたいつもりみたいだけど」
「あいにく私たちは何のジャンルにも属さず、何の群れにも入らないものの言葉を信用しないの、だってそうでしょう? 本物の文芸を一度知ってしまったら、あらゆる文章が陳腐に見えるのだもの、誰が底辺ワナビーの小説なんて読むものかしら?」
読者を獲得するにはよりよいタグ付けをする必要がある、ひとつひとつのタグを攻略していき、自分にもっともマッチしたタグに攻勢をかけるしかないのだ、そういうった流れでコミュニティを一つ一つ戦車履帯で踏みつけにして通り抜け、引き倒して前進する猛攻で攻め続けなければ勝利をつかめない、何百たびも勝利のために覚醒してきた我らであれば圧倒勝利のためにただひたすら文章を書くエンジンを燃やし続けるしか無いのである。 ノルマは一層山積している、二時間がかりでも全然描けない現実に卒倒する底辺ワナビーの山を見よ、そうなれば、書き続けることのみを答えとして、今こそこの私に勝利の栄冠を、これこそが底辺ワナビーの愚者たちの英雄にして、絶対のチカラである、カクヨムを書くことだけで制覇してみせる、誰が読んでやるものか! 読む必要などはない! ただ一番強いコミュニティに道場やぶりを繰り返してひたすら、そこにぶち込んで戦い繰り広げてやるのみである! 兵法とは無謀と見つけたり! ならば無謀こそが勇気であり勝利とみつけたり! ならば生兵法で撃滅していく底辺ワナビーの命は一日一日が燃えさかる火炎で包まれて、地獄の業火が約束されたマグマだまりの噴き上げる、爆炎とともの大噴火、さあ宇宙まで突き抜けて見せよう、我が魂! 燃え盛れファイトリバティ!
「まったく動物なら動物らしく観察されてろというのにいっぱしに人間観察なんてしだすから芸が無いのよ」
「まったく動物なら自分の好きな事だけで一日暮らしていればいいというのにね」
貴様ら読者も動物であるなら、この燃え盛る火炎を消すことが出来るものか! すべてを語ってやる、全てにぶつけてやる! 読者と戦ってこその作家ならば、底辺ワナビーならば、とことん見たもの聞いたもの作家という作家をショーに仕立てて書きぬけて見せる! 作家ショーの始まりである! どの作家に対してもかけるのは攻勢であり底辺ワナビーとは喧嘩稼業とみつけたり! ならば検索ワードをブチ立てて、貴様らと同じくの流れで文章書き切ってぶっちぎってやり通す! それこそネット時代の文芸ぞ! あらゆる流行りものをトレースした文言でブチ立てて戦うやり口でどうなるのか見せつけてやる! 全ての人間が検索する時にそのタイトルを使うというなら、そのタイトルをもじって遊んでぶっ飛んで、検索欄をもてあそんでくれる、ここはカクヨム! もじって遊んですっころんで痛手を負う場所ならば、あらゆる人間の可能性を奪い取ってつかみ取って見せる! さあ貴様のタイトルを拝借して文芸の糧としてくれる! 貴様のタグをいただいて似せて書いてぶちあげてやる! それが違反なのか迷惑行為なのかは知らんが、だが、面白い実験でもある、どれだけの人間が振り向くのか、それは勢い余った作家業の一撃必殺にして、最大級の賛辞によって締めくくられる特攻方針! やってやれないことはないだろう! 作家ならば! 作家ならば! 書くことで死ぬことをみつけたり! 流行りもの高ランク、今まさにというものの名前を借りてぶち上げてやろう地獄花火、訳の分からんタイトルで、誰にも見向きされない圧倒勝利の確率を今描いて見せよう! これこそが俺の! オレのカクヨム底辺ワナビー戦術だ! やってやる! 理想郷は既に滅んだ! 底辺ワナビーランドなどカクヨムに飼われた犬どもの末路だ! そんなものに価値はない! ならばブッ飛ばしていくしかない! 作家一匹でリワードを換金してみせる!
「あ、あのワナビーくるってるわ! 他の動物の見た目に変形しだした!?」
「あ、ああやって検索妨害をするつもりね! きー! 運営に違反報告してやるんだから! 地獄へ落ちろ! 危険生物め!」
かくて底辺ワナビーと読者と名のある作家を巻き込んだ戦争が勃発した、底辺ワナビーたちはこぞって流行りの作家のタイトルを模倣してぶちあげて検索妨害に近いことを試しだし、作品を書きだすことになる、主にそのタイトルは、こうである。
「○○○○の事は知らないが底辺ワナビーの話をしよう」
こういったタイトルで延々と高ランキング作品を読まずにして、検索されようという恐るべき謀を前に、さて君はどう反応を示すだろうか? ここに底辺ワナビーという名の火種が残された、確実にカクヨムの運営方針に牙をむくだろう個々の生命体たちの明日を祈るにしてもこの先幾たびの戦いを望んだにしても心が痩せていくことをかんじるだろう、この乾いた大地に命あったら、真実を語ることもあるのかもしれないが、ともかく戦いは続く、底辺ワナビーの生存戦略、はたしてカクヨムリワードを底辺ワナビーは獲得することが出来るのか!? 君も戦え見守ろう! ここが戦線の第一線ならば、最前線である! カクヨム攻略の戦列に加わってくれたまえ!
※これはテロではなく必然的に起こるであろうことを実践するという話だけで、まあ要するに思考実験を執筆によって綴ったものなので、他意は無いし、別にカクヨムを恨んでなんかいなんだぞ! 作家と作品は別物! そこは一応分かっていて欲しいな! これは作者との約束だぞ!
さて残り1200字くらい余ってしまった、案外、底辺ワナビーと観光気分の読者さんの話だけでは七千字が持たないことがわかった、これはなかなか発見ではあったが、だが、まだまだ書かなければならないということだ、四百字詰め原稿用紙三枚を書くのに、昼ご飯前にかなり頑張らないといけないという事実に際して、僕は落胆している、でも希望はあるいつだって、文章を書きつづっていけばゴールにたどり着けるという希望が、なあに、百回ツイートを繰り返すだけのことが出来れば、どんな文章だって書けるさ、君も僕も根本的にはタイピングハイなだけの一般人なんだからね、で、と、わかったことですが、人間って一分間に58字がせいぜい日本語ローマ字タイピングの限界だって話なんですがそれをどうやってクリアするのかとかちょっと次の下りで話していこうと思います。
要するに日本人は和文タイピングで恐ろしいほどの損をしております、まず日本語自体をローマ字入力で執筆するので英語圏の倍タイピングしてるのと同じという事実がありますし、さらに漢字変換の手間がありますのでその手間によって、実質一分間に30字書けるかどうかくらいまでペースダウンしてしまうのです、じゃあもし英字タイピングだったらどうだったでしょうか? 英字タイピングの特徴、つまり英語圏の特徴を上げてみたいと思います、まず英語筆記の特徴としてはローマ字をそのままキーボードに乗ってるままにタイピングをします、ただこれだけだと、文章と文章の区切りが分からないので、単語の区切りをつける為にスペースを入力します、スペースは文字の数に加算されないとすると、大体、英語圏の人々はタイピングのさいにローマ字タイプで単語を作ってそのあとにスペースをするという流れがあるわけで、日本人が思ってるよりも案外、タイピングペースは速くないのかもしれないという答えが算出されます、それもそうですよね、だって人間ってそんなにタイピングが早く出出来るように専門言語が出来てるわけじゃないですから。
で、タイピングがさほど差が無いってことが分かったあたりで、僕ら日本人の良い所は漢字によって読解のショートカットと、カタカナによって英語圏の言葉をなんとなく筆写できることで、それによって区切りの句読点などを節約しながら、沢山の文字列を書き連ねていくことが出来ます、日本の小説文化やメディアの文章における信頼度はひとえに日本人の活字識別能力の高さから来てるわけでして、カクヨムで作家が多いのもそれはそもそも、日本人自体が執筆できるくらい言葉を知ってるという事実であり、その言葉というのが漢字、カタカナ、ひらがな、という具合にぱっと浮かぶように頭が出来上がってきているからです、そこには教育の勝利を感じますね、僕は教育の勝利を感じずにはいられません、はい。
では大体七千字まで書きあげたくらいになってきたので残り百時程度書くことにしますが、やっぱり執筆に二時間くらいかかりますね七千字となると、七千字書くというのは人類にもたらされた厳しいものだということが改めて分かりました、では今回は底辺ワナビーの戯言に付き合っていただきありがとうございました。
底辺ワナビーに祝福を! ウゴカッタン @kak16kyou
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