第2話
「許すまじルクマール?」
【最近どうも足がかゆいと思っていたら、皮がめくれてきた。水虫だ。人生で今まで一度も水虫になったことなんてなかったのにっ!家族の誰かにうつされたに違いない。
犯人は誰だ!
どうも、犯人は次男のルクマールのようだ。
あれほど、あれほど勝手に人の靴を履くなと言っておいたのに。
靴ははいてない、ちょっと足をふくタオルを借りただけだって、余計に悪いっ!
許さない。ご飯抜きだ。一生ご飯抜きだ!家ではご飯は食べさせないっ】
あー。
水虫をうつしてご飯抜きの刑……、斬新です……。
どうでしょう、この情報で客にはなるでしょうか。……ルクマールさんの顔を改めて見ます。
……イケメンなのに水虫……。
ああ、これ、私がなんかそのままにしたくない案件ですよ。
なんでしょう……知ってしまったからには、治してあげたいです。ううう。
自作のメモ帳を取り出しぱらぱらとめくり【鑑定】してこの町で集めた情報から、必要な部分を覚えます。
第三通りの7番雑貨店のレイニーナ印ですね。はい、覚えたました。
おっと、肝心のルクマールさんを見失っちゃういます。
急いでルクマールさんの後を追います。
ひときわ大きいので、遠くからでも簡単に見つけられました。見失わなくてよかったです。
「ルクマールさんっ!」
大通りを抜けたところで追いつき、後ろから声をかけました。
「ん?なんだ坊主、知らない顔だが、俺に用事か?」
坊主。
よし。今回も女だとばれていません。
日本国籍、津山優紀28歳。異世界生活1か月。
初日に男の子と間違えられてからは男の子で通しています。
この世界では、女性の身のほうが危険が多いと思ってのことです。
女性は、髪を伸ばし、冒険者でもないかぎり長いスカートをはいているのが定番のこの世界で、肩までの髪に、ロールアップした膝下10センチのズボン姿は男の子にしか見えないらしいです。
日本人特有の若く見えるるアーンド日本ですら中学生に間違えられるくらいのチビも功を奏したようです?
チビ……どうせ、チビですよ……。でも、でも、役にたったのでいいんです。
っていうか、目の前に立つと本当にルクマールさんは背が高いです。見上げる首の角度は45度。
「ルクマールさんには悩みがありますよね?それを解決してあげます。もし、解決できたら銀貨1枚ください。解決できなかったらお金はいりません。話だけでも聞いてみませんか?」
検索結果に約束は守る男だとありました。ですから、約束してもらえればこっちのものです。
銀貨1枚は1万円くらい。坊主と呼ばれる子供にはそこそこの大金です。
「あはは、何だ、それは?小銀貨1枚なら考えてやってもいいぞ?」
想像通りの優しくて明るい笑顔でルクマールさんが笑いました。うん。この笑顔好きです。心が温かくなるような笑顔です。
突然の子供の提案に笑って対応してくれるんですから、いい人です。
小銀貨1枚は1000円。うーぐ。それで手を打つべきでしょうか。でも、1000円なんて宿屋に泊まるお金にもならなりません。
「……水虫……ご飯抜き」
ぼそりと検索で得た結果を口にします。
「うっ、な、なんでそれを……。まさか、母ちゃんに何か言われたのか?」
ふふっ、母ちゃんですって。図体でかい大人だけれど、お母さんには頭が上がらないのかなぁと想像するととっても可愛いです。
首を横に振る。
「銀貨1枚」
「分かった。約束する。解決できたら銀貨1枚お礼に渡すっ!」
やりました!
約束しましたよ!
これで1万円は手に入ったも同然ですっ。
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そうだ、タイトルでは検索スキルって書いてありますが、『鑑定魔法』なのですが、主人公には検索窓がでてくる特殊スキルという感じなのでそういうタイトルになっていますが、もうちょっとこの辺もちゃんと考えないとなぁとか思いつつ。
どうすれば分かりやすく伝わるでしょうかね?
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