狂愛

いっき

第1話

「ねぇ。今日、俺の家に来ない?」

その日の放課後。悟(さとる)に声をかけられてドキッとした。

私は高校に入学してから、学年一の成績を誇るイケメンの彼にずっと片想いしていて……その恋を成就させるためには、どんなことでもやった。そう、どんなことでも……。

そして、そんな私の想いが報われ、先日、彼の方から「付き合おう」って告白してきたのだ。


「ええ、嬉しい! でも、私、悟のお母さんに会うの、初めてね」

「親は共働きでいないし、そんなこと気にしなくても、ぜーんぜん大丈夫。決まりな!」

彼のその言葉に私はさらにドキドキして、顔が火照ってしまった。だって、親がいなくても大丈夫。それって……甘美な時間を期待しても良さそうじゃない?

私は弾む想いで通学鞄を持って、彼と一緒に高校を出た。

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