小説鬼

いっき

第1話

漆黒の闇を照らす満月の下。

銑司は絢爛と光る刀を抜く。

二人の倒幕派浪士が、鬼神の如きその佇まいを恐れながらも、自らの信念を貫かんと刀を銑司に向ける。

その刹那!

一瞬の出来事であった。

銑司の刀は満月を裂くかのように浪士二人を真っ二つにした。

銑司はその血飛沫から目を背けんとする。

しかし、銑司を蝕む〈剣鬼〉はそれを許さない。

銑司は自らの意志とは裏腹の不穏な薄ら笑いを二つの亡骸に向け、さらに〈剣鬼〉に己を喰われるのだった。


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