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うたうのが大変たいへんでしたよ、もう(わらう)。


今年ことしはじめ、あらたなるメンバーによって本格的ほんかくてき活動かつどう再開さいかいしたスターリン。"より音楽的おんがくてきになったスターリン"" というのが、世間せけんあたえた評価ひょうか主流しゅりゅうだった。いったいバンドが音楽的おんがくてきでなくて、なんであるというのか?だがそれまでのスターリンの過程かていものであれば、そういう奇妙きみょういまわしも、あながちれないものではなかった。

デビュー当初とうしょ過激かげきなパフォーマンス。アルバム発表はっぴょうたびに、次々つぎつぎされるコンセプトとそのコピー。スターリンというのは、直接ちょくせつその音楽おんがくれずとも、かってしまったになれるバンドであった。

それをくつがえためには、確固かっこたる音楽おんがく言語げんごったあらたなメンバーの参加さんか必要ひつようだったのである。

新生しんせいスターリンの『JOY』につづ二作目にさくめは、そのもずばり『STALIN』。

そのおとれてみれば、『JOY』はあくまで前奏ぜんそうきょくだったというのがかる。ここにてようやく、事件じけん言葉ことばおとを、すべ手中しゅちゅうおさめたといっていいスターリンの自信じしんあふれる作品さくひんである。今回こんかいは、ミチロウに無理むりって、そのニュー・アルバムの全曲ぜんきょく解説かいせつをしてもらった。


―まず、今回こんかいのアルバムに「STALIN」というバンドけたことについてきたいんですが。

はじめてなんですよね、バンドまえけたのは。むかし、『GOGOスターリン』っていうシングルをしただけで。このまえの『JOY』っていうのは、スターリンといつつも、どこかで遠藤えんどうミチロウ+ほかのメンバーというところがあるんですよ。とりあえず、お披露目ひろめだけしときますみたいな。本当ほんとう意味いみで、メンバーがスターリンのおとつくろうっていうかたちでちゃんとやったのは今度こんどのレコードなんです。ようやくスタートにてたなというところで、それでバンドのまえつけてみたんですけど。普通ふつうでみんなデビュー・アルバムでやりますよね(わらう)」

つくかた前作ぜんさくおおきくちがったところはありますか?

全部ぜんぶ、リハーサルのまえの、あそびでやったセッションからつくったきょくばっかりなんです。だれかがまずおとはじめる、たとえばドラムがドカドカとはじめる、それにわせてベースもギターもして、ぼくがそのうえにデタラメ英語えいごうたメロれていく。みんな即興そっきょうでやってるんです。

あの緊張感きんちょうかんをレコードにしたかった。

つまり、カクパート個人こじんが、自分じぶんおと責任せきにんたなきゃいけないでしょ。そうでないときょくのテンション上がんないし。

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