君という名のギフト(改訂版)
睦月 葵
ファーストステージ
承前
奇跡が存在することを、わたしは知っている。
それは、諸々の文献に語られるような神々しいものでも、仰々しいものでもないが、それでも奇跡と呼ぶ他はない出来事が起こることを知っている。
例えば、わたしのような小市民が得る奇跡は、思わぬ人に貰ったり、その辺に落ちていたりするのだ。おそらく、そんなふうに、誰の前にも奇跡は降って来る。
要は、その事態に遭遇した人が、それを受け取るか受け取らないか、拾うか拾わないか───そして、得たモノが奇跡だと気付くか気付かないか───そういう問題のような気がするのだ。
最初から、すべてを判っていることなど出来ない。時間を掛けて、少しずつ気付いていくことなのかもしれない。───自分自身の手の中に得たものが、とてつもなく素晴らしい、人生におけるギフトであることに。
わたしにとっての君が、紛れもなくそうであったように。
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