隣の仏蘭西マニアの同僚


「今度まとまった休みが取れそうなんだ」


「よかったね。どうする?実家にでも帰る?」


「そのさ、どっか旅行にでも行かないか?」


「え?」


「最近、様子が変だから。考えてみたら俺残業ばかりでちゃんと相手できてないなって」


「そうね」


「だから、外国は難しいかもしれないけど温泉とかさ」


「私より、妹さんといったら?」


「え?」


「毎日放ったらかしても大丈夫な私なんかより、毎晩終電まで構ってあげてる大事な妹と行けば。」


「ちょっと待って、なんの話?」


「今更良いよ、言い訳なんて。毎晩香水の匂いさせといて」


「だからなんの話だって、香水?」


「私があの子にあげた香水だよ。貴方と行ったフランスで買った香水。大事な妹って、そういう意味だったんだね。」


「フランスの香水?」


「もういいよ。あの子と結婚するのは世間体的に難しいから私を選んだんだよね。私は愛してたけど、」


「まってまさかこの香水のことか?」


「え?」


「誤解だよ!この香水は、」




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