向日葵畑の向こうの家

水縹❀理緒

向日葵畑の向こうの家

【向日葵畑の2人】の別視点です。


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綺麗ね


とても綺麗



空は、色んな顔を見せるけれど、

どれも全て魅力的で、美しい。


青空は、人々に元気を与えるの。

とっても澄んでいて眩しいわ。


夕空は、帰りなさいって教えてくれるの。

お家でお母さんがご飯を作って待ってるよって。


星空は、明日を運んでくるの。

綺麗な星を流して、皆にお疲れ様って伝えるの。



その下で、彼ら人間は何て醜く生きているのだろう。

私は彼らに捨てられた忌み子。

彼らより醜いと罵られる忌み子。


教えておくれ、青空よ。

何故彼らの味方をするんだい?


教えておくれ、夕空よ。

何故、彼らを守るんだい?


教えておくれ、星空よ。

何故、私を縛るんだい?



私は夜しか外に出れないというのに。

どうして彼らから同じ人間の私を突き放すのよ。

どうして星空のアナタ以外と戯れる事を許してくれないの。

どうしてあの家に近づこうとすると、星を私の元に落とすの。

酷いわ。


あぁ、アナタも私を羨んでいるのかしら。

だったら嬉しい。両思いね。


だけれど、今日はね、家に石を投げ入れられたの。

悲しかったわ、有名な貴族達がやる事かしら?

でもそうよね。

私と血の繋がりがある両家だもの。


…ふふ、そうなのよ。

あの人たち、賢い子を作る為に…イケナイコトをしていたのよ。

私みたいな忌み子が生まれてしまったから、

2つに別れたみたいだけれど。


だからね、とってもとっても憎いの。

私はあの人たちの子供なのに、

あの人たちの新しい子供は幸せそうにしているのに

私は?


私は?


どうしてこんなに



あぁ、独り言。

ごめんなさいね、星空のアナタ。

アナタにしか私は話しかけれないから。

この目は光を嫌うのよ。

とても痛くて仕方ない。


あの向日葵畑は、大お祖母様のものだけど

私は近づけないのよ………


だけれどね、1ついい事を思いついたの。

あの子達を私と同じようにする方法。


この家は、大お祖母様が住んでいたのよ。

大お祖母様はね、魔術に長けていて、色んな書物が残ってるの。

素晴らしいでしょ?

昔から大お祖母様だけが私の味方だった。

私の傷を嫌わずに、治そうとして下さった。

誰も愛してくれないのに。

大お祖母様だけが違った。

今も、私に道を示してくださっている。


この本、みて?

この呪い、みて?


きっと彼らは、絶望するでしょう。

これは報いよ。

私の心を壊した報い。

愛を知らずに生きればいいわ。


幸せになると死ぬ呪い。

不幸になると死ぬ呪い。


あの家に対の呪いはぴったしね。



あぁ、ごめんなさいね、星空のアナタ。

もう私の目は光を克服したの。



だって、私は



魔女になったんだもの



ありがとう、星空のアナタ。

心配はご無用よ。

地獄を生きる事は苦痛、だなんて

私は産まれた時から地獄だったのだから。

夜闇を歩くのは慣れてるの。



さようなら、星空のアナタ。

今度は愛されないあの子達の相手をよろしくね。



(終)

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向日葵畑の向こうの家 水縹❀理緒 @riorayuuuuuru071

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