【公開停止】やれることはやってみるがさすがに駄目だったらしい

ウゴカッタン

大量のログに対しては公開停止が妥当である

2020/12/11 10:00時あたり

一週間近くを掛けてずっと毎分二回程度の更新を続ける小説があった。

36500話のプログラム小説と名付けられた、その小説では、

冒険者ナプパクが五千年近くの旅の中で恐るべき数のアイテムを発見し、

喜怒哀楽を示して日々を過ごしているというものだったが、

 いかんせん一話あたり五万六千字あるので、無理寄りの無理だったのだが、運営が利用停止の対応をするまで割と時間が掛かった、審議は色々あっただろうが、とりあえずもしこの36500話のプログラム小説がOKになっていたらどういう未来が来ていたかだけ語ることにする。


 まず、一分で二作公開するペースを持続したならば、常にカクヨムの新着欄に載り続けることが出来てしまう、これによって他のユーザーがプログラム小説に着手した場合、新着欄をプログラム小説が埋め尽くす未来が来ていただろう。

 これはさすがにカクヨム自体のサイト運営に多大な影響を及ぼす、かといって投稿に連投制限を設けるようなことをしても具体的な対処にはならない、なぜなら連投制限の時間待ち分だけ待ってから投稿という流れを組まれれば、イタチごっこになるからだ。

 とすると、異質である作品を一つ公開停止処分にするのが一番分かりやすいことになる。

 実際そのようになった、これによりカクヨムにおける問題は一応はセーフになったのだが、未来における負担にしても現在進行形の負担にしても、どちらをとっても負担であったのは確かなところである。

 実験をまずは許容し、危険水域が来たと考えたときに的確に判断し、利用規約に抵触してる部分から公開停止にする流れに間違った部分はない。

 ただ人は可能だと分かったことはやってしまう生き物だ。

それはどのような場合であったとしても変わらないこととなる。


 やりたいと思ったことはやる。 実験的なことは試す。

 試してみて駄目だと分かればひとまずはお終いとするがまた違うやり口を探すとなるだろう。


 さて何にしても一つの実験が終わりを迎えたわけであるが、この先、二十億字を越える小説の限界を超えた作品が出てくることは現在のカクヨムではありえないだろう、このことは小説家業自体が文字数で実力を単純比較できないことを示すものであり、つまるところ人間は文章量で生きてるのではなく、対話で生きているということになる。


 まあ、僕自身はログとの対話も楽しめるし、プログラムを幅広く知ってもらえれば、次のプログラムの仕掛けを考えることもできるという具合で進めるので、どんなログであったとしても遊びがいがあるものとして感じているのだが、分量は確かに求めていないかもしれない。


 なんにしても一万四千回近く、同じプログラムを試行したという経験はなかったので、この結果には満足している、ボタン一つで執筆が出来るという流れが心の助けにはなるし、僕は最終的に文章を書くという行為自体はもっと簡単でシンプルなものになっていくと考えている。


 さて、作家なら千万字書いて当然、四百字詰め原稿用紙140万枚相当に達さなければアマチュアと同等、とは出版業界では常識のようなものであるが、現代の作家に掛けられたこのノルマをうまくクリアするには最終的にはゲームしかないと考えているし、人は1メガバイト容量の文章を書くだけで死に至るのであって、1ギガバイトの文章を人に書かせようなどとすればそれは千人斬りをするようなものであって、まさに作家に対する過度な期待により国を滅ぼすことにもなるだろう。


 なので、一人一冊以上を求めないことが本当は必要なのだが、どうしても一人百冊は書かなければ儲けにならないような錯覚が皆にあるようだ。


 文章を質より量と捉えたなら、そんなものはプログラムに書かせればいい、文章を質だと捉えたなら、そんなものは決められたレールに乗った偉人の自伝だけを販売すればいい、そうやって滅んでいった独裁者は枚挙にいとまがないのかもしれないのである。 文章に求められるのは質でも量でもない、その人自身である。


 あなた自身が書かなければ、あなたの人生を豊かにする方法など、分かるものだろうか?


 一人一冊のグリモアを、それが出来ることなら、書きつづれば答えとなるだろう。


   ウゴカッタン

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