第445話 みどりのきりづまやね

 

 

 長い雨あがりの早暁、近くの農道に散歩に出かけたカヨさん、まさに目が洗われたような清々しさに打たれ、これだから早朝散歩はいいよね~、とひとりごちました。


 なかでも、むらさき、紅、ピンク、白など色とりどりに咲き乱れるコスモスの群落の可憐な華やぎといったらどうでしょう! まさに妖精が棲んでいそうな……。👼🌺


 それから、丈高く伸びた野アザミの花の半ばに、ふっくら詰まった真っ白な綿や、真夏の盛りより少し小ぶりになった感じのムラサキツユクサの水色や、いっそうあざやかな黄色味を増した月見草や、見るからに酸っぱそうな実をつけた野葡萄や……。


 孤児院からグリン・ゲーブルス(緑の切妻屋根)に養女にもらわれたカナダの赤毛の少女アン・シャーリー(11歳)だったら、どんな豊かな表現をするでしょうね。

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