第409話 まんまと
ふ~う、ひとまず半分はやれやれというところですね、とカヨさん。(・´з`・)
グローバル化の産物のパンデミックが止め処なく拡大している真っ只中に、敢えて時代錯誤なナショナリズムを煽り立てる国際イベント(この言葉自体が矛盾の極み)を持ってくる不見識に呆れ果て、無策という究極の人災により長引くコロナで食べていくにも困っている国民をよそに、世界のごく一部の既得権益者のために莫大なお金が浪費される構図に至っては、どうかお願いしますと、神の裁きを仰ぎたく……。
終始一貫したカヨさんのスタンスに、いささかの変わりもありませんが、たまたま身体能力に恵まれた人たちの祭典の要素が濃いオリンピックに対し、障害を克服したアスリートによるパラリンピックとなるとおもむきが異なってくるのは当然であり、一片の翳りもない気持ちで、晴れ晴れと応援させていただきたいと思っています。
ただ、いろいろな立場の関係者が「こんなときこそ」を強調すればするほど「なぜスポーツだけ特別?」という正論に軍配があがるのは、至極当然のことでして……。
*
ですが、「開始前は反対していても、いざ日本がメダルラッシュになれば(気象条件・宿舎・練習の場所や機会など、ホームが強いのは当たり前と踏んでの発言かと)国民の意識は変容する」と目算した為政者や官僚の筋書きにまんまと乗せられ、いつの間にか旗振り組にすり替わっている人たちの日和見には、ほとほと呆れ返ります。
仕事だから当然だろうと言わんばかりに国民の健康を丸投げされて五輪どころではなく、この暑いのに通気のわるい防御服をまとい、頭にはキャップ、手にはゴム手袋を3枚も着けて奮闘してくださっている医療関係者に、申し訳なくはありませんか?
昨年の春、当時の為政者の思い付きで、とつぜん学校が2か月も休校になったときも、各施設の職員は自分の子どもには辛い思いを堪えさせながら、いつもどおり呑気に通所させる利用者の家族に複雑な思いを抱いていたようですが(当然ですよね)、現在もつづく医療関係者の葛藤を思うと、多数の鈍い感性をお詫びしたくなります。
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