第192話 すぎたるは


 

 

 

 人によって好き好きだと思いますが、カヨさんの好みは「言い過ぎない」句。

 即物的や説明のし過ぎは詩情に欠けるし、読んでくださる方に非礼とも……。


 で、雪籠りの昨日、1時間ほど詠んでみたのが次のような句。推敲なし、手抜き感満載のシロモノではありますが、お遊びのつもりでご笑覧いただければと……。

 

うつすらと粉雪のせて犬の家

寒四郎呼べど出て来ぬ犬の鼻

関節をゆるめて挑む寒九かな

雪の日の踊り場の灯の蜜柑色

縁厚きカップに八分雪明かり

寒波去る忍者ハットリくんの術

紛れるも目立つも否の小正月

受賞者の憂ひ晴らせず寒土用

 

 野暮を承知で付言すれば、最後の句は、某句誌に掲載されていた俳句の賞の若き受賞者の「この国の未来を思えば、素直に喜べない」という嘆きへの共感です。

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