第164話 みなかみまち


 

 

 

 この冬初の寒波襲来で群馬県みなかみ町では136㎝の大雪と知ったカヨさん、かつて歴史小説『小松姫――真田家の守護神』の取材で沼田城跡を訪ね、ついでに隣接するみなかみ町の支城・名胡桃城なぐるみじょうまで足を伸ばしたことを思い出しました。


 利根川と薄根川うすねがわの合流点、高さ70mの河岸段丘上に建つ本城・沼田城に対し、出城の名胡桃城は利根川右岸の断崖部に位置していますが、城跡らしきものはなにもなく、なだらかな起伏の草原に曲輪や土塁、土橋の標が立っているだけでした。


 歴史小説の執筆に当たっては、登場人物の年譜に、自分なりの心理描写を油絵のように塗り重ねてゆき、最終的にオリジナルな物語に仕上げる。それがカヨさんのやり方ですが、そのためにはどうしても一度は現地に足を運ぶ必要があるのです。


 ちなみに、現在、連載中の『出奔の顛末――石川教正と徳川家康の因縁』にも、留守中の家臣の謀反で切腹に追いこまれた名胡桃城代の嫡男・鈴木右近を真田信之の忍として登場させています。もちろん、忍の右近はフィクションです。(;´∀`)

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