第91話 たびじ




 

 

 難病に苦しむアーティストの老妻を介護しながら、車いすでの日常生活用に自分で改造したキャンピングカーで旅をする老写真家のドキュメントを観たカヨさん。

 

 ――あいにくわたしには世話をしてくれるパートナーがいないし、今後もできる予定はないけど(笑)、いざというときは福祉の世話になることをためらわない。

 

 あらためて自分に言い聞かせました。

 

 というのも、左右の脚の長さに若干の相違があるため、左足の付け根と左の臀筋に負担がかかり、いずれはそこを中心に、なんらかの症状が生じそうだからです。


 もちろん、なるべくそうならないようにトレーニングや散歩を欠かしませんが、万一そうなったときは、社会の一員として、大手を振ってプロの手に委ねようと。

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