第76話 さんぷん





 

 先日、月一の心療内科受診に出向いたカヨさん、先生の机に異なるものを発見!

 

 ――砂時計。

 

 ひっくり返してジャスト3分で、上部の砂の最後の一粒が下部に落ちる、あれ。

 あれよあれよと言う間に、すごいスピードで引力の法則に従う砂を見ていると、早く席を立たんかい! と追い立てられているようで、どうにも落ち着きません。


 こういうとき、おとなしく黙っていられないのがカヨさんです。

 

 ――あの、これ、さっきから気になって仕方がないんですけど。

 ――ああ、これね、コロナ対策にね、置くことにしたんですよ。


 別にどうということないでしょ? という感じの先生の返答に二度びっくり。


 

 それはないでしょう、先生。いわゆる3分診察とは無縁の病院だからこそ、毎月せっせと通院しているんで、もしそうでなくなるなら、考え直す必要があるかも。第一ですよ、先生。砂時計なんてそもそも心療内科の本義と矛盾していませんか?

 

 さすがにこれは口にしませんでしたが、次回の診察日にまだあのせっかちで容赦のない砂時計が患者の前にでんと据えられたままだったら、苦しいとき助けていただいたのに申し訳ないですけど、キッパリ見切りをつけるつもりのカヨさんです。

 


 一方で。

 でも、ねえ……とも思ってしまうのです。

 

 近況としてカクヨムの楽しさをお話していたら、どれどれ、どんな感じ? 自ら席を立ってスマホを覗きに来てくださる先生なんて、ほかにいる? いないよね。(汗)

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