第55話 けいけんそく
なるほどねぇ、さすがに説得力あるわぁ。
――関係者のベクトルが一致していれば、課題は必ず解決する。
ある業界の海千山千さんが語る経験則譚に、心から首肯したカヨさんです。
そういえば。
まことにもって余計なお世話ながら人生を豊かにするお手伝いをさせていただきたいというこちらの気持ちが通じないなら、せっかく始めたオンライン句会だが、潔く中止すべきだろうと覚悟し、全員の意識向上を促すべく一斉送信したメール、意外に(?)みなさん、真摯に受け止めてくださっていたことがわかりました。
――句会の事務局は大変だが、自分自身の成長にもつながる。
大先輩のお言葉を反復しつつ、それにしてもねぇ、とカヨさんは思うのです。
句歴の長さに安住して勉強しないでいると、こういうことになるんだよねぇ。
たとえば、流行りの疫病を素材にした句は、二、三の俳句雑誌を繰ってみれば、いやというほど掲載されているのに、俳句なんぞ小手先で出来ると思っているから勉強せず、結果、現状を知らず、類想句の見本のような凡句を平気で詠み、採る。
つまり、俳句を舐めている!
ボランティア事務局としては何とも情けなく、腹立たしい限りなのですが、その代わりのように初心者が精進してくれているのが、わずかな救いになっています。
残念ながら今回も、数合わせのために仕方なく選句した句の大半が水準以下で、結社の句会に出せば、即没になり、痛烈な批評を浴びること必定のレベルですが、ほんの少しずつでも進歩していかれれば、と願うしかないカヨさんでもあります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます