瞬息
魔光がさく裂し、そのたびにどこかに痛みが走った。
感覚は
(――おばあ様!)
少女の声がする。
かつて拾い上げた小さな命がいま、これほどに自分を追いつめている。その事実に浮かびそうになる微笑を凶笑で上書きした。
むろんやられてばかりではない。むしろこちらが大きくやり返すことが多くなりつつあった。気力こそ
(おばあ様――おばあ様、おばあ様――!)
声は魔光が交わるたびに響いてくるようだった。
「やれやれ」
一皮むけたようでその実昔と変わっていない。いつまでも師ひとりしか見えていないから、そこから外れる自分を怖れている。
もっともそう在るよう教育したのは
「かくて道は
まあ、強兵はかならずしも良き師ではなかったということだろう。
ああなんて
「……む」
攻め手を緩めたと同時、エレベアも気が付いたらしかった。
いけない、時間切れだ。あまりに名残惜しいがゆえにこんなにも引き摺ってしまった。
最後の魔光が迫る。
エレベアは止めようとしているようだが土台間に合わない。そもそも自分に
腕を広げ全身を水と化した。そのまま魔光を受け容れ、覆いかぶさるように突進して。
――全方位から打ち込まれた魔法に総身を貫かれた。
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