よい選評と悪い選評

「新人賞で最も大切なのは、応募者の才能を見極めることだと思っている。 小説家の才能というのは、うまく書けていることではなく、他の書き手にはない独自の魅力があるということだと思う。 それは、なかなか難しいのだが、要するに作者が何を語ろうとしているかがちゃんとと伝わってくるということだだろう。 それがはっきりとしていれば、多少傷があっても作品として説得力のあるものになるはずだ。」https://kobun.or.jp/mistery_new/prize18/より引用 今野 敏氏による選評


ちょいと何年か前のものですが。


こういった言葉は、読んでいて励みになります。

無論の事、雑な話やいい加減な文章を書いてよいという意味ではあり得ず、

最終選考に残った作品に対してすらも欠点はきちんと指摘されている。

そういうの、参考になりますね・・・。

ただひたすら褒めてるだけの選評というのも賞によっては見られるわけですが、当然批判点がゼロという作品は存在しないはず。人気・有名商業小説だって突っ込みどころや批判点が存在する場合もあるわけですから。


最近よく聞くのが、「面白くなくちゃ意味がない」とか「売れるものでないと意味がない」という類のもので、それは出版社の立場から言えばそんなに間違ってはいないのかもしれませんが、

最近の企業で即戦力になる経験者ばかりを求めて、新人を育てようとしない傾向が強い事との危険な相関性も感じられるように思います。


言うほうは、楽だと思うんですよ。

早くカネになる奴来いよ、金になる奴だけ来いよ、って。

他の奴いらねーよ って。


でもその言葉を聞いて育つ人は誰一人としていませんね。

あくまで「新人」賞やぞ、って事をきちんと明言する人も中にはいるんだと知ると、こっちももっと頑張ろう、って思いますね。


無論そうは言っても、審査が甘いという事は一切なくて、当然ながら多くの作品が落とされております;;


こういう類の選評は参考になるので、たくさん読んだほうが良さそうですね・・・・

ただ大賞を褒めちぎってるだけの選評は、選出された作品自体を読む事に意味はあっても、選評そのものにはほとんど価値はないと思うので。

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