(旧)傾向の分析

構想は色々あっても、ジャンルがブレるとうまく書けないだろうと思うので注意したいところです。

登場人物の構成とかも変わってしまうので。

例えば、推理小説でないなら「犯人」は不要ですね。


募集内容

・エンターテインメント小説を募集

・アクション・SF・コメディ・サスペンス・時代・推理・ファンタジー・ホラー・ライトノベル・歴史・恋愛


尚、ジャンルの名称の順番は記載の通りの引用ですが、「アイウエオ順」だと思います。最初、アクションが最初で恋愛が最後にある意味を考えたりしましたが、この順序自体には多分深い意味はないということですね。


ただ、受賞作品や書評を見る限り、アクション・SF・時代・推理・

歴史…このへんは、最初からハンデ背負っているように思います。

ホラーも、怪しいですね。

そこらへんを払しょくするためか、歴史小説の応募もあったとか、最終選考に残った作品に怪奇系の要素を取り込んだ作品もあったなどとは書かれてはいます。


しかし、それらの「要素」はあってもいいけど、本格的に突き抜けているものほど弾かれるという予想はつきますね。そういうのは、新しい作品を書く時の大きな妨げです。

本当は、例えばカクヨムが開催しているコンテスト(私は応募しませんが)では、ジャンルはある程度不問としながら6つの「部門」に分けて作品を募っています。そういった具合に、ある程度のジャンルごとに作品が分けられて選考される事が最低限の前提としてほしいところです。


そういうのが商業の悪いところで、「突き抜けて」いない。

だからこそ、同人作品を作る人やそれを買う人というのが、一部いるんですけどね。

同人でも、半端な作品というのは売れにくいし、作る面白さも半減するものです。


文芸社さんに関して言うと、レーベルの傾向をちゃんと見ろと間接的に言っているように書評から受け取れますが、まあ読者の立場から言うと「傾向」は把握しにくいです。

ものや雇っているイラストレーターの絵から判断すると、微妙に、切なさであるとか「死」を連想させるような、そういうものを売りに出したいのだろうか?と感じます。がちの笑えるコメディなんかは入る隙間が見当たりません。

それはいいんですけど、混乱するのが、これらは読者として「若者」を意識しているのかどうかよく分からないという事です。買ってるのはどの層なのか?ちょっと、分かりません。

個人的には、若者を意識して共感してもらうのであれば「生」のほうの躍動感を出すほうがいいのではないかと思いますが…

小説ではないですけど、例えば高校生の野球とかサッカーの試合は「高校生らしさ」を最大限に発揮して性別や年齢を問わず人気を集めている代表的なものだと思います。友情とか努力とかいう典型的なところに始まって、ガチでぶつかりながらも試合後には握手して互いを認め合うみたいなところが、やはり「大人の世界には無い」独特の好感があると思います。


でも、出版物を見ると、そういう生の躍動というものは、受け取れない。

もしそういうものがあるなら、イラストレーターの選び方や描かせる絵ももっと変えるはずですね。

「死」というイメージは、普通に考えるなら若者受けするものではあり得ないですね。ただ、そういうのに引かれるというか傾く学生が一定数いるのは間違いないとも思います。

問題は、「狙う」層として、果たして扱いやすいかどうかという事です。

私は、扱いにくいと思います。

悩みを抱える学生は多いと思います。まあ、はっきり言ってその悩みは「大人」が作っているものだと思いますが。

その心の隙間に入って「共感を持ってもらう」という事は、不可能ではないでしょう。むしろ、テクニックを持った大人が意識してやれば簡単に「釣れてしまう」事もあるかもしれない。

でもそれは、大人の商売の中でも少しマニアックというか、正攻法のビジネスではないという印象も受けるのです。

「死」というものを匂わせる事は、20、30あたりの人々にも不気味な魅了効果があるのも間違いないでしょう。これらの人々は、「一部の勝ち組を除いてお前達将来真っ暗だよ」と言われている世代で、自殺であるとか孤独死であるとか、本来「老い」「病」とは距離を置く年であるはずなのに、どういうわけか「死」に囲まれてそっちに寄って行く一定数の集まりが存在するはずと思われます。

本質的には、学生にしろ社会人にしろ、そういう人に「狙い」を定めているのでしょうか?


それはいいのですけど、問題は「はっきりしない」事だと思います。

ぼやけていて像がつかめないという感じでしょうか。

淡い雰囲気が嫌という事ではなく、むしろ個人的には好きです。

ですが、問題は「その淡い雰囲気それ自体」がはっきりとした狙いなのかという事です。

元々、自主出版とかそっち系のサービスをやる企業さんだと聞いているのですが、その割には同人作品のように突き抜けた作品を出版しないようにも見えます。

もちろん、「マニアック」になってしまえば購入する人は限られるのは当然です。ただ、読者の側から見て、世の中で有名になった作品というのはどこかしら過激な要素は必ず含んでいるのも事実だと思います。企業は、「こんなに過激やで」という事を売りにさえする事もあると思います。

言い換えると、売りに出してしまえさえすれば普通はマニアにしかウケないようなものが世に流通する事もあります。過去に「なぜか」、めちゃくちゃ怖いという売りでホラー小説を映画化したものが流行ってテレビドラマ化もしたという事があります。これを見ると、売れるかどうかは内容というよりは「売り方」なのかと感じます。その時の記憶では、普段はそんなホラーに興味ない人にも「本当に怖いから見てみ」のような感じで人から人へと勧めていく伝染があったと思います。この言葉自体は、「怖い」でなくても「泣ける」「笑える」等、何でもいいわけです。問題は宣伝の仕方という事になるのでしょう。

もっとも、「怖い」事を売りにして中身がぬるかったらその宣伝は詐欺になってしまいます。というか、最近の企業はそういった半分詐欺みたいな宣伝を繰り返していると思いますけどね。

実際のところ、その作品の映画めちゃくちゃ怖くて、もとの小説もそういう「要素」があるってだけじゃなくてどっちかというとガチのほうだったので、狙って計算通りか予想外かは知りませんがマニア以外の人達にも「ウケ」てしまったようですね。普段からホラーに慣れていない人達こそに余計にインパクトが強かったのかもしれません。

強いて言うと、その作品は、グロ要素や・心霊系とかの独特の不気味さ・夏の怪談話っぽさなどは少なくて、部分的には描写は「並のサスペンス」程度のものが多かったのも事実です。そういう意味で、ホラーの中では「変わり種」だったのかもしれません。

文芸社さんも某作の書評で「マニアックでない」程度に詳しくて楽しめるとぼそっと言ってますけど、前述のように、マニアックになると確かに一般人はついていけなくなる。

ホラーの場合、そういったヒット作を超えようとするとどうしても内容をより「過激」にしていく傾向がありますが、やりすぎるともちろんついて行けなくなる人も出てきます。かといって、ぬるくすると即刻で飽きられて本当にそこまでです。そういった難しさもあって、最近はジャンルとして下火なのでしょう。


ただ、「死」や、それ自体ではなくても斜陽というか夕暮れというか、どことなく終わりに向かうようなイメージを重視するというのであれば、

書き上げた作品にしても新しく書くものにしても、方向は見えますね。


私は、こういう事に関しては「出版物の内容を汲んでね」じゃなくて、

ある程度の事ははっきりと言うべきだと思いますよ。

そういう事すると応募作品が減ってしまうと言うかもしれませんが、明らかに求めてない作品がたくさん来たところで、審査の作業は大変になって、1つ1つを見る時間も短くなって選考が雑になると思います。


投稿サイトでも、作品数が「多すぎて」埋もれてしまうという問題があるわけです。数だけ増やせばいいっていう発想は、即刻終わりにすべきだと私は思います。売り上げは増えればいいですけど、余計なものは可能な限り減らすべきかと。まあ、人気のない投稿物は徹底的に無視される形に仕組む事で、そういう作業は進行中なのかもしれませんけどね。ねちねちと陰でやるんじゃなくて、賛同してもらえる形ではっきりやるべきだと私は思います。


文芸社さんの賞に関しては、作品に「写真やイラストをつけてもいい」っていう条件が本当に「?」なのですけど、1つの試みとして、出版社が求めているかもしれない「イメージ」を描いて添えておくのは面白いかもしれませんね。

本来、小説なのだから「描く」のではなく「書く」のでなければなりませんが。


書き上げた作品については、全体的に、特に序盤、怪談っぽさが目立つ気がします。これはそう意識して書いたのだから自然の成り行きですが、このままだと入選はしないどころか、「ホラーっぽい変な作品もあった」という小さな印象で終わるように思います。それは、個人的に面白くありません。公正に戦って敗れるならまだしも、最初から決めつけられてハネられる前提があるかと思うと、これは愉快なものではありません。

前向きに捉えるのであれば、どうも出版社が重視しているようなその「イメージ」、作品にその要素もあるので意識したいとは思います。

問題・課題は、その要素はどちらかというと後半以降に集中していて、前半は「怖い展開」に持って行くためのイントロダクションのようになっている事。根本から直すのは難しいですが、世界観や主人公の女の子の描写を淡い感じで書くような、そういうものに少し変えないと、希望がどうも見えませんね。

別の作品も書くにしても、最初からそういうつもりで書くと無駄は省けそうです。

…などと言って、今年選ばれた大賞はコメディ作品でした、などというオチもあり得ますけどね。


その時は、まあとりあえず、恨みます。


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