(旧)作品を書きやすくする要素の考察

今回、個人的には結構短期間に1つの作品が最初から終わりまで書き上がりました。

漫画でもある事ですが、2週間程度できっちり仕上がる時と、だらだらと数ヶ月かかってしまう事があります。

今回は前者のパターンで良かったと思うのですが、それをぜひ続けるために分析(や反省)もしてみようと思います。

尚、早く仕上がった事に対する分析であって良い作品ができたかの分析にはなりませんが、個人的な経験というか体験では短い期間で仕上げたもののほうが出来が良い傾向があるので(※これに関しては逆の人もいらっしゃるかと思われます)、結果的に良い作品を作る事につながるかもしれません。


まず、単純に「10万字以上の文字を打った」という事に対しての考察があります。

結論を言うと word でひたすら打ったのですが、修正が容易なのと、文字数やページ数の把握が容易なので、これからもこれでやるとよいと思います。

逆に、自身のサイトにしても投稿サイトにしても、オンライン上で打つと効率が悪いように思いました。これは、何万字も続けてダーッと打つと見づらくなったり、あるいはそもそも一定の文字数で区切って分割しないといけないという事が生じるためだと思います。

じつのところ普段のだらだらとした小説はオンライン上で直接打っていたりして、結果、進みは遅いです。意外と余計な事に時間を取られている可能性があります。例えばこのエッセイも、結構いっぱい書いたなーと思ってもこの時点で全然10万字には満たない字数です。


次に、自分が前から書きたかったエピソード・舞台設定・キャラで書いたという事があります。ゼロから構想を作り上げたのではなく、構想自体は前からあったという事です。

作りたいものの中から、比較的流行にあったものを選ぶという事はもちろんできます。やってよい事だとも思います。

なので、本当にフリーで書きたいものを書いたというよりは、書いてみたかったものの中から特定のジャンルに合致するようなものを選んで書き始めました。


主人公キャラが扱いやすい性格だった事もあります。

これは要素を積み上げて一人のキャラを作ったというよりは、「物語を書いてみた結果、こういうキャラである事が分かった」という感じですが、

・普段は自己主張せず(できず)周りに振り回されやすい

・単独行動時や緊急時には活発・好奇心旺盛・強気な一面が出る。片方の親の性格に「そっくり」

結果、どうなったかというと、周りの都合で巻き込まれたり、時に自分から首をつっこんだりドジを踏んだりで結局巻き込まれたりと、話は進みやすかったです。実際、そのようになる傾向にあるタイプなのかもしれませ

ん。

子供キャラに対して「親に似ている面がある」というのは意外と使えるかもしれません。これは単にテクニックという事ではなくて、実際に「この子はこういう所が親にそっくり」という事があるので。

もちろん、対象が子供キャラでないと機能しにくいですし、親の性格が個性的で、そもそもある程度目立つ形でキャラとして登場しないとやはりうまく機能しないと思います。今回、たまたま親のほうがどちらかというと「問題児」タイプだったのでそういう結果になったように思います。

もっとも、「親に見た目は似ているけど性格が真逆」といった事もあると思うので、この事は一律に機械的に適用できる事項ではないと思います。


ホラーを前提にしていた事もあり、「怪物役」のキャラがいたという事もあります。

前も書いたのですが、ホラー作品一般で、人間の主人公以外に、真の主人公・あるいはもう一人の主人公として怪物役のキャラがいるのは割と普通の事だと思います。(その心理描写まであるのは、やや少数派かと思いますが。)

つまり主人公の軸だけではなくて、「実質もう一人」の軸もあったので進めやすかったというのはあるのかもしれません。実際、その怪物役がいなかったら作中の事件の大部分は起きなかったという筋書きになっています。

少し考察すると、待ち構えているボス的キャラというよりは、常に主人公のそばで見えない形で存在し暗躍しているような形かもしれません。

私はトリックとか考えるのが苦手なので(見破るのも苦手)推理小説とかはほとんど作った事すらないのですが、読者の立場から考えるとそっち系で言う「犯人役」のキャラというのも似た要素を多少持つのかもしれません。犯人いなかったら事件起きないはずなので…。


ホラー作品として作った事で、個々のエピソードを書きやすかったのもあります。つまり「怖い要素」を入れるのが主眼にあったので書くべきもの、あるいは描写すべきものをまとめやすかったかもしれません。

もっとも、断片的な怪談話や怪現象が続くだけでは全体が繋がらないので、怪物側から見ると全て一連の話として繋がっているという感じに。

ホラー系一般でそういう感じのところは多いのではないかと思います。

一応、謎解きや秘密の解明がされて「タネが分かったから怖くないね」ではなくて、尚いっそう怖くなるという感じにしたくて文章は書いていました。


話の都合上、キャラの名称をつけやすかったというのもあります。

名称に関してあまり悩まず、しかもキャラの特徴づけがしやすくて整理しやすかったかもしれません。

悪い評価を受ける可能性も多分にあると思うので一概に良いとは言えませんが、

「川の上流に住んでるので川上さん」的な名前の由来のキャラが大部分でした。

実際に「健康に育ってほしいから健太」のような名前の付け方をする事もあると思うので、名前そのものに何らかの意味がある、あるいは少なくとも意味がこめられているという事自体は、何ら禁じ手ではなく使ってよい手段の一つだとは思います。

兄弟の長男だから「一(はじめ)」さんであるといった事は、フィクションではなく現実によくある事です。


構想の中で、一番書きたかったのはラストであった事もあるかと思います。つまり、結果的にはそこに至る経緯を調べていくような形で序盤からつないでいき、それを所定の字数でまとめるといった感じで、やりやすかったというのはあると思います。(ラストを最初に書いたという事ではもちろんありません。

また、この点に関して、趣味で長編を作る場合には、ラストは敢えて考えないほうが楽しく作れるという事もあるかと思います。)

ラストというのは作品でつづられる物語の範囲の中でのラストという事であって、必ずしも世界の終わりとか破滅という事ではありません。

「結論から言うとこうでした」というのは、ものにもよりますが、あってもいいものだと個人的には思います。例えば、仮にですけど、結果を知っていても「なんでそうなったの?」という疑問が沸くという事は普通にあるからです。

漫画とかだとよくあるんですが、連載漫画の途中から、特定のキャラの過去のエピソードが突然始まって意外に人気が出たりするというのを何度か見ています。そのキャラがいわく付きの経歴の持ち主だったりすると、その過去の描写をしてみると興味あるという意味で面白い事もあるという事かと思います。商業作品だと、そのキャラが人気キャラでないと全く効果のない手法かと容易に推測はできますが。

ただ一つのやり方として、一定の結論が先にあって過去をたどって描写するという方法は作る側としても楽しい事はあるし、今回はそれで書きやすかったと言えるとは思う、という事です。

まあ、内容的に「楽しかったです」などというと相当に不謹慎な話でしたが…。


これらはあくまで「書きやすかった」事に関する考察であって、入選するために評価を上げる事には必ずしも直結しないと思います。

ただ、作品を作らない事には反省もできないので、もう1作品作り上げるにあたってこれらの事もよく考えて素材選びしてみたいように思います。

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