シナリオ制作におけるモチベーションバイオリズム

@chiriyam_jun

シナリオ制作におけるモチベーションバイオリズム

シナリオ制作におけるモチベーションバイオリズム

TRPGファンにとって自分でシナリオを書くというのは、一つのわかりやすいハードルでありトロフィーでもある。

いくつものシナリオを通過してきたからこそ、シナリオ制作者に対してシナリオを生み出してくれた感謝とその難しさに尊敬の念を感じるからだ。


かくいう僕も自分でシナリオを作るが、最初に降りてきたインスピレーションをもとにアイディアを膨らませ、それを一つの物語として結実に至った時のカタルシスはたやすく言葉にできるものでは無い。

そしてそのカタルシスは、シナリオを完成させた瞬間とセッションがクリアされた時とで、二度訪れる。

或いはシナリオを自分で作ることこそがTRPGをより楽しむためのコツなのかもしれない。


さて、シナリオを作るといってもいうほど簡単では無い。だが不思議なことに、それほど難しくも無い。

矛盾しているようだが、言ってしまえば書ける時はサクサク仕上がってしまうし、書けない時はどんなに簡単なものでも書けないのだ。


まだ僕がオリシを作ろうと思い至らないくらいの初心者の頃、とある野良募集でオリジナルのソロシを通過した。

そのセッションの内容があまりにも僕の心に刺さってしまい、思わずクリア後KPにリプレイテキストを書かせて欲しいと頼み込んだ。

そのKPは僕の頼みを快く快諾してくれ、完成を楽しみに待っていると言ってくれた。


ここでこのコラムのテーマが失敗談であることを思い出してほしい。

そう、つまりリプレイは完成しなかった。


何故完成しなかったのだろう。セッションのログはすぐに書き出し、キャラクターのイメージイラストも描き、構成プロットも仕上がり、リプレイそのものも序盤は順調だった。

だというのにそれ以降の作業が突然進まなくなってしまったのだ。


執筆にムラがある、言葉にすればそれだけではあるが、モチベーションの調子がいい時と悪い時に明確な違いがあるのは確かだろう。

書くことも全て決まっていて気持ちも前向きで集中力もありPCもスタンバイ、だが文字は一向に打ち込めない。

かと思えば、仕事の合間にケータイを開くとすらすらと筆が乗る。

ゲーマーなら調子がいい時に回線が悪くてラグってしまう時の感覚がそれに近いのかもしれない。


そういう時はインプットもアウトプットも回線を切断して、電波の起源が治るのを待つしかないのだ。

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