Absolute Zero
@regulusTM
プロローグ
罪とは誰が決めるのだろうか。
例えば、ただ存在するだけで罪になる人間がいるとしたら。
或いは、存在する為に積み重ねてきた罪があるとしたら。
それでも変わらずに、存在し続けることは許されるだろうか。
ある誰かを傷つけ、しかしそれが他の誰かの為にと願うことは間違いだろうか。
世界は残酷にも等しくなく、強者の感傷に至らなければ弱者の犠牲に躊躇はない。
独善的な正義、利己的な願い。個で劣っても団結すれば勝るとき、不遜にも”裁く”と思考する。
罪とは何処に宿るだろうか。
事実に宿るのであれば、正当性は意味を持たず、ルールを定める人間の裁量で罪となる。
悪意に宿るのであれば、例え事実でも、悪意はないと認める人間の裁量で罪ではなくなる。
心の内にのみ宿るのであれば、心無き者に罪は無く、逆に正当性を認められた者でも、その心に罪は残る。
多数の見知らぬ人間を犠牲にして、自分や大切な人間を救うこと。
自分や大切な人間を犠牲にして、多数の見知らぬ人間を救うこと。
誰がその罪を問えるだろうか。
誰がその行動を讃えられるだろうか。
結局、誰しも独善的なら、大切な何かを護ろうとすることを誰が咎められるだろうか。
大切な何かを護ろうとすることの、何が罪だろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます