第7話:娼婦の願い

 ワット=ワトソンは漆黒色の双眸に、姉が凌辱されていく姿を焼きつかせることしかできなかった。ミイラであったはずの覇王:シノジ=ダイクーンは姉の身体から力を抜き取り、その力をもってして、乾いた肌には生気が宿り、段々と元の姿へと戻っていく。


(やめてくれ……。俺のアイナを穢さないでくれっ!)


 だが、ワット=ワトソンの喉からは、はっきりとした声は出なかった。ああ……、うぐ……と嗚咽と吐き気に似た音しか出せなかった。姉のアイナ=ワトソンのウエディングドレスが覇王:シノジ=ダイクーンの両手と2本の長大な男性器により、ビリビリに破かれる。それによって、豊満な2つの果実が露わになるが、それを覇王:シノジ=ダイクーンが4本の手でもてあそぶ。


(それを触っていいのは俺のはず……なんだっ!)


 ワット=ワトソンは今や、その双眸から朱い色の涙を流していた。覇王:シノジ=ダイクーンはわざわざとアイナ=ワトソンの身体の向きをワット=ワトソンの方に向け直し、彼に見せつけるようにアイナ=ワトソンの身体の隅々を貪り喰らう。彼女の身体において、すでに清楚な部分は無くなっていた。2本の男性器がその先端から白濁液を大量に吐き出し、アイナ=ワトソンを淫靡な姿へと生まれ変わらせていた。


 もちろん、覇王:シノジ=ダイクーンは彼女をその白濁液のみで汚すだけでは飽き足らず、彼女の穴という穴に侵入しはじめたのだ。耳の穴を生気が戻った手の指で犯す。彼女の唇を自分の厚い唇で塞ぐ。そして、豊満な果実の先端を左手で丹念に犯す。そして、ついに彼女の露わになった下腹部に向かって、2本の男性器が忍び寄る。アイナ=ワトソンのわずかな抵抗を押しのけ、彼女を貫いてしまうのであった。


 アイナ=ワトソンは下腹部にあるふたつの穴を2本の男性器に突かれる度に、女性レディとしての喜びの声をあげてしまう。ワット=ワトソンは自分の耳を短剣ダガーで叩き落としたくなってしまう。そんな姉の美声を他の男の手により奏でられたくなかったのだ。姉が嬌声を上げるのに対して、ワット=ワトソンはヒグッ! ヒグッ! と嗚咽を漏らしていた。


 覇王:シノジ=ダイクーンはグッフッフと満足気に笑った後、アイナ=ワトソンの両足の太もも部分を両腕で下からすくい上げるように持ち上げて、彼女を抱え上げてしまう。そして、嗚咽するワット=ワトソンに向かって、自分とアイナ=ワトソンが結合し合っている部分をまじまじと見せつけるのであった。ワット=ワトソンは眼を逸らすこともできずに居た。あの部分に男性器を埋めて良いのは、自分だけだと思い込んでいた。だが、現実は非常だ……。


 それから三日三晩に及ぶ、覇王:シノジ=ダイクーンのアイナ=ワトソン改造計画が実行されることとなる。1日目はアイナ=ワトソンはまだ抵抗の意思を示していた。しかし、2日目の昼頃にはアイナ=ワトソンの心は覇王:シノジ=ダイクーンの手により、根本から折られてしまう。そして、3日目の朝には、覇王:シノジ=ダイクーンのツインヘッドドラゴンを自らの手と口で喜ばせるほどにまでに技術テクニックを磨き上げることとなってしまう。


 娼婦と化してしまった姉の姿を見せ続けられてきたワット=ワトソンは、絶望の淵に落とされながらも、何度も勃起し、その度に射精を繰り返してしまう。自分の意思とは関係なく、耳が姉の嬌声を受け取り、鼻が姉の愛液の匂いを嗅ぎ取り、眼が姉の下腹部にある淫らに歪む穴を凝視してしまう。自分の手で自分の男性器を触っているわけでもないのに、ワット=ワトソンの男性器はそこから毒を吐き出し続けたのであった。


 今や、もてあそばれる側がアイナ=ワトソンから覇王:シノジ=ダイクーンへと様変わりしてしまっていたために、かの者は満足気に彼女の漆黒に染まる髪の毛を丹念に無骨な右手で撫で上げる。


「可愛い女子おなごよ。名を何という? 褒美を取らせよう也」


 この時になって、覇王:シノジ=ダイクーンは自分が調教を終えた女性の名を初めて聞くこととなる。アイナ=ワトソンは覇王:シノジ=ダイクーンのツインヘッドドラゴンから唇を離し、自分の名を告げる。


「ほう……。アイナ=ワトソンと申すか。良い響きの名である。さあ、願いを言うが良い」


「わたくしの願いは、シノジ=ダイクーン様にこの国を救ってほしい。ただその一点に尽きます」


 アイナ=ワトソンはそう言うと、またもや覇王:シノジ=ダイクーンのツインヘッドドラゴンの先端をその柔らかな唇と弾力豊富な舌で丹念に御奉仕を開始する。アイナ=ワトソンは口の中一杯に覇王:シノジ=ダイクーンのツインヘッドドラゴンを頬張りながら、その先端から溢れ出る白濁液を胃の中に流れ込ませる。そんな彼女の姿に大変満足した覇王は筋肉の鎧に包まれた身体でアイナ=ワトソンを持ち上げて、あろうことか、彼女をお姫様抱っこしてしまうのであった。そして、彼女を抱きかかえたまま、顔をワット=ワトソンに向けて、ふてぶてしくこう言い放つ。


「そこの小僧。われの従者となるが良い。覇王伝説には語り部が必要であるからな? ガーハハッ!」


 最初は幽鬼のように立ち上がった覇王:シノジ=ダイクーンであったが、今や幽鬼はワット=ワトソンであった。ワット=ワトソンの顔から生気はすっかり抜け落ちており、頬はごっそりとこけ落ちていた。だが、それでもワット=ワトソンは自ら死ぬことを選べなかった。朱色のスジを頬に残したまま、霊廟を後にする2人の後をゆっくりと追いかける。


 アイナ=ワトソンを抱きかかえたままの真っ裸の覇王:シノジ=ダイクーンは、ドワーフ族の貴族や文官たちが居る宮廷内を練り歩く。覇王:シノジ=ダイクーンとアイナ=ワトソンの姿をまざまざと見せつけられた貴族や文官たちはその場で腰を抜かしてしまう。それほどまでに覇王の姿は勇壮でありながら、暴力的なイメージがありありと脳内に浮かびあがってしまう。軍人でない者たちは覇王を見ただけで、絶望の淵に追いやられてしまう。


 覇王はそんな情けないドワーフたちの姿をまともに見ずに、どんどん宮廷の奥へと進んでいく。そして、ついには玉座の間へと足を踏み入れる。そこの玉座に座っていたマーロン=ダイクーンは白濁液まみれの褐色の肌の女性をお姫様抱っこしている男を見るや否や、背中からずり落ちるように玉座から滑り落ちてしまう。そして、空席となった玉座に向かって覇王が歩み続けていくのであった……。

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