マスク
@kyotaro1919
ショ-ト 「 顔 」
ピッ
「オツカレサマデシタ・・・」
個人識別コード52××001
5年前にこの会社に入社した時に
体の中にマイクロチップを埋め込んだ
入社してすぐの身体検査で新入社員は
全員その手術を受けることが決められている
その30分くらいの手術は全身麻酔で
次の日からはすべての日常が
このマイクロチップで管理されている
駅での乗降りはもちろん、買い物はお金を出すこともなく
お店のなかで必要なものを手に取りそのまま出ていく
「アリガトウゴザイマシタ」
帰るまでは人とのやりとり接触はほとんどない
いつものように家の近くのコンビニで缶ビールを買い店を出ようとした
ドンッ
「あっごめっ・・」
[いつっ!]
入ってきたカップルにぶつかり自動ドアに顔を強打しうずくまった
「えっやだぁ大丈夫?」
「はッ こいつら・・ほっとけ」
顔を押さえながら立ち上がり家路を急いだ
今のやつらチップなしのくせに・・・だから接触も回避できないんだ
個人識別コードが入ったマイクロチップの所有はまだ限られていた
国から選ばれた組織や<人物>のみ許されていた
さっきのぶつかった衝撃で・・・何かおかしい感覚があるが・・・
イソいでタワーマンションの入り口に駆け込んでエレベーターの前に
立った・・・
エレベーターが来ない、近づいてミタが来ない
壊れている張り紙もナイ
困っているのにコンシェルジュもアラワレナイ
携帯で30階の部屋に電話をカケタ
「トゥルルル トゥルルル アナタ?ドウシマシタ?」
[セキュリティーガ コワレテイルミタイダ]
エレベーターが来て乗りこむと30階まであがり開いていたドアに入った
「オカエリナサイ・・・ ア アナタジャナイ」
ズキューン!!
[シンニュウシャ ハイジョ シマシタ]
「ビックリシタワ コンシェルジュ ショリヲオネガイ
アノヒト マダイツモノコンビニダワ」
壁に付いたモニターの画面上のマップには
コンビニの入り口のよこでチカチカと点滅していた
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