忍び寄る危機②王都周辺の異常
みんながそれぞれアルバイトをしている時間に王城へペイロンが以前話をしていた
「ペイロンよ、やはり魔物は氾濫しそうなのか?」
「陛下、今の状態は非常にまずい状態であと1ヶ月もしないうちに氾濫するでしょう。現状ではもうすでにダンジョン付近には近づけない程、魔素が溜まっており予想では数万体の魔物が出てくる可能性が高く、もしも避難を始めるならすぐにでも始めないと間に合わないでしょう」
「ハーラルフよ、どうすべきか?」
「そうですね、ダンジョン近辺の領民を避難させある程度引き付けてから討伐軍を作り対処するのが一番被害は少なそうですが……」
「やはりそれしかないか? 辺境3領位は壊滅的な被害が出そうだな」
「物資の補給もままならない辺境へ大部隊を派遣するわけにもいきませんし、残念ですが諦めて制圧後の復興に力を入れるのが一番かと」
陛下と宰相は近辺の住民を避難させてから王都の近くで制圧するのが一番だと考えているようだ。
「ペイロン、俺たちだけではどうにかならない?」
「タイガ、それは難しいかもな大物だけならいいが、雑魚の魔物が結構いるからな」
「でも、避難して命が助かっても今までの生活基盤なんか無くなってしまったら領民も立ち直れないだろ?」
「それは解るが、今から補給部隊を作って補給物資を準備して送り込むのは非常に厳しいと思うぞ、なによりそこでもし撤退になった場合には殆どの部隊は全滅するだろう。そうなったら王都を目指す魔物達をだれが討伐するんだ? 今ならなんとか避難が間に合うので避難させるのが一番だと思うぞ。命があればなんとかなる」
「雑魚掃除か…… 王都の警備がある以上は兵を使うことはできないからな。じゃ冒険者を雇うのは?」
「冒険者は自分の力量と命の重さを考えて依頼を受けるものだから、今回のような事態で依頼を受けるような奴は少ないと思うぞ、なにより数が多いので広域魔法を使えないと厳しいな。やはり王都周辺で殲滅するのが一番じゃないか?」
「あと1ヶ月あるなら少し考えてみるよ。もしも雑魚掃除が解決したらペイロンも手伝ってくれよ?」
「もちろん、最悪は転移の魔法陣があれば王都に戻ってこれるからな。」
「タイガよ、転移の魔法陣を魔道士部隊分を用意はできないのか?」
「宰相様、あれはそれぞれの個人を認識する魔法陣を組んだり結構大変ですし、あまりおおっぴらにできない魔法陣ですから」
「そうだな、あれがあれば流通に関わっている者たちの職を奪うやもしれんな」
「とりあえずはすぐに領民へ避難準備をしてもらい2週間後には避難を開始する。ハーラルフよそれまでに王都内に避難民が過ごせる場所を作り準備するのだ。ペイロンとカテリーナはとりあえず戻って避難準備の手伝いをしてほしい。タイガは何らかの策がなければ王都での殲滅に協力をしてもらいたい。よいか?」
陛下は領民避難を決定したようだ。まだ時間は少しあるのでなんとか被害が出ないように殲滅する方法を考えるか。
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