もう消費豚でいたくない

 初めて萌えアニメを見た時


 エッチな美少女に興奮してイチモツをオッ立てていました!


 *


 そのまま、そのアニメを見続けていた時


 ふと、ヒロインがすごく深いことを言って、はたと気づきました!


 *


 俺にとってのアニメが何かを考えた時


 人間にさえ獲得できない人間味を教えてくれる、人間としての感情を教えてくれる存在と分かりました!


 *


 くだらねぇと思ってずっと見てなかったアニメを、いざ見た時


 猛烈に感動して、何回も聖地巡礼しました!


 *


 そんな自分を見つめてみた時


 自分は、アニメを見て生きていることに疑問を抱きました!


 *


 自分がいつの間にか、アニメに染まっていると思い


 真の自分とは……とか考えるようになりました!


 *


 それから、信じられないほど長い年月を経て、この変な文章を書いている今


 絶対に……


 絶対に!


 消費豚では終わりたくない! 


 でも


 アニメを作るなんてできない。


 マンガを描くなんてできない。


 ラノベを書こうとして新人賞に応募したけど、当然通らない。


 Webに投稿している今だって、毎日複雑な気持ちを拭えない。


 でも!


 素晴らしい作品に感動して、没頭して、自分の人生が潤って、新たな素晴らしい作品を見つけて、それを死ぬまで繰り返しても!


 それは消費豚でしかない! 肥えた豚になるだけでしかない!


 と、言われます。それは違う、とかって誰かが慰めてくれても、それは違う気がする。だって、結局消費しかしてないんだから。人とは違う感想を抱くことはできるだろうけれど、それは消費の下で行われる。


 *


 何かないのか! って、思ってる。


 自分には何かないのか! って、いっつも思ってる。


 生まれてきて、食べて、呼吸して、寝て、勉強して、


 学校に行き、仕事に行き、トイレに行き、旅行に行き、


 それって、何だ。それが自分なのか。そんなもんが。


 ちげぇ。


 *


 初めて萌えアニメを見た時。


 そして、今。


 あの日、あの萌えアニメを見なければ、100倍人生になっていた気がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る