第7話 夢の鼻






それから約1ヶ月程の時が経ち


現在


---5月18日---


~火曜日~




「あなた...何度言ったら分かるの?これ程言っても分からないなら猿以下よ」

あきれてさげすむような目で見下し物を言う館宮さん。

「なっ...!?あんたの教え方が下手なんじゃない?!」

それに対し、立ち上がり指を突き指して言い返す彼女。




あの日。いじめの主犯の二人が担任に連れられ教室を出て行った後、必然的に1時間自習となったのだが。女子は彼女の方へ、男子は俺の所に集まり一晩ベットで寝ました発言について、お互いあれこれ質問攻めにあった。その後、何とか誤解を解き、ただの友達同士だと言う事で事は収まったのだが...今もまだ、付き合っているやら、今どんな感じなのかと聞かれる毎日。まあ、良くも悪くも結果それをきっかけで、近寄り難い見た目でへだたりがあった栞の周りにも、まだ友達とまではいかないが日常を話し合えるような女子ができ。俺も中々馴染めずにいたクラスだったが、最近は涼哉以外の人とも自然に話せるようになった。



そして、その日の昼休みに涼哉に昨日の出来事を全て話したのだが...



思い出しただけでも肌がピリつく。一見いつもの優しい笑顔。しかし、俺には分かる。あの時の涼哉はとてつもなくキレていた。

話を聞き終えた涼哉は、そのまま教室を出て行き。どこに行って何をしたのか分からないが、何故かその日からいじめグループの連れだった男達とすれ違う度、震え怖気おじけ付いた様子で毎回頭を下げて謝り、挨拶して来るようになった。


一体何をしたんだ...我が親友よ。



それから彼女もほぼ毎日のように朝登校し顔を見せるようになったのだが...


「あら。そう言うのであれば自力で何とかしたらどう?」

「あ〜そうかい。頼んだあたいが間違ってたよっ」

お互いめくじらを立ててにらみ合う。

「はあ〜(ここまで気が合わないとは...)」

息を吐き落ち込む俺の耳元で、涼哉が二人を眺め笑いながら口元を手で隠し、小さく呟く。

「2人とも仲良いねっ」

「「どこがよ!!」」

聞こえてたのか阿吽の呼吸で即否定し、こちらに大きく声を上げる。


すると——


《ゴズンッ》


「痛っ!」

彼女と館宮さんの後頭部に一冊ずつ分厚い本が振り落ちる。

「図書室ではお静かに」

婆さんが眼鏡の下から鋭い視線を二人に放つ。

「「...すみません」」

二人とも頭を下げ謝るが、まだなお俯いた下でバチバチに火花を散らす。

「(ひぃ〜、2人共よく平気だな...あんなの食らったら俺、痛みで禿げるわ。館宮さんのやつが可愛く見えてくる...)」

婆さんの恐ろしさを改めて痛感し、俺は開いたノートに視線を落とす。



そう。俺たちは今、勉強中なのだ!(主に俺と彼女)





---ここ数日前---


中間テストまで一週間を切ろうとした頃。


彼女が急に勉強を教えて欲しいと頼まれたのだが、俺も平均点を何とか取れる位の頭脳。自分の勉強で精一杯だった俺は、数少ない友人関係を駆使くしし、入試試験学年1位と学年2位の涼哉と館宮さんに俺共々お願いしたのだ。


そして今に至り、テスト一週間前は委員会と部活が無い為。

ここ図書室を貸して頂き勉強に励んでいる


のだが...彼女の勉強の出来なささは想像を遥かに超えるものだった。

入試試験の点数を聞いてもよくそれで受かったなと思う程。

「(何かつてでも使ったのだろうか......彼女なら十分有り得るな)」

と、彼女の家を頭に浮かべながら妄想してしまう始末。




「どうしてそうなるのよっ」

「だってここは x と y が2個あるから...」

「ならどっからこの z が出てきたのよ!」

館宮さんがノートを指差し、理解の出来ない回答に頭を悩ませる。

「(館宮さんがあそこまで取り乱してるの初めて見た...それ程なのか。それに加え彼女は至って真剣。それでこの感じなのだから恐ろしい)」

俺も完全に他人事とは思えず、自分のノートとワークを進め埋めていく。

「教え方を変えるわ...しっかり聞いて?」

仕切り直したように館宮さんが顔を上げて教え直す。

「わかった...」

彼女も自分への危機感を感じだしたのか素直に耳を傾け話を聞く。




そうこうしている内に空は茜色に染まり、

カラスが鳴らすチャイムの音で俺達はノートを閉じて学校を出る。

こんな日々を数日繰り返し、次第に館宮さんが彼女に頭を抱える事も少なくなっていった。





---5月21日---


~金曜日~



いつもの様に日が暮れるまで図書室で勉強をして、学校を出る頃。

校門を前に彼女が何故か少し照れくさそうに俺達を呼び止める。

「あのさ!あの...日曜、皆予定空いてそうならあたいの家で勉強会しない?泊まり込みで...」

その言葉に皆多少驚きつつも、それぞれ答える。

「私は、別にあなたがいいならいいけど...」

館宮さんが目を逸らしながらも、心無しか嬉しそうに答える。

「俺も部活無いし行けるよ!勿論、功樹も行けるよなっ?」

涼哉も何の躊躇ためらいもなく返事を返し、こちらに目を向ける。

「え?まあ、俺も行けるけど...いいのか?」

「お、おう!そ、それじゃあそう言う事で!また!」

そう言い残し、彼女はその場を足早に去って行き、俺達もその場で解散し学校を後にした。



こうして、1ヶ月後にまたあの豪邸へとお邪魔させていただく事になった。



「(......トランプでも持っていこうかな)」

夕焼けが照らす河川路をそぞろ歩き、静かに明日を待った。





---5月23日---


~日曜日~



「ハハハッ...コレハナンデスカ?」

「まあ...そうなるわな」

あまりにも規格外的大きさの豪邸を前にカタコトになる涼哉。


「どうしたの詩波くん。この程度の大きさの家、異世界か20世紀先の未来にでも行けばそこら辺に落ちているわ」

「いや、館宮さん。どこ見てんの?」

その後ろで背を向け、森に話しかける館宮さん。


「(まあ...無理もないか。こんな家前にしたら、まともにいれないよな...)」

自分の経験を思い出し、またも気後れする。


「もしもし?未帆さん?うん。あぁ、よろしく頼む」

彼女が鞄から携帯を取り出し、未帆さんに電話を繋ぐ。

すると、遥か先の屋敷の入り口から玩具おもちゃのような黒い車が近づいて来る。

低く静かに響くエンジン音と共に、近づくにつれ増す黒光に思わず視界の間に手を挟んでしまう程、艶輝くリムジン車が目の前で止まり。その運転席からメイド姿の未帆さんが降りて足を揃える。


「お待たせ致しました、栞お嬢様」

「(お、お嬢様...これ程までに似合わないとわ...)」

館宮さんが真剣な面持ちで心の中で呟く。

「こちらの方々が栞お嬢様の《祝》のお友達様ですね」

「あれ?今凄い馬鹿にされた気が...」

「ふふふ」

「否定しなさいよ」

手慣れた様子で掛け合う彼女と未帆さん。

「初めまして、私は栞お嬢様のお家。この花澤家でメイドをさせて頂いております。未帆と申します。何か分からない事が御座いましたら気軽にお声掛け下さいませ」

両手を腹部に重ね、軽く会釈する。

「館宮 誘希です。今日はお招き感謝致します」

「詩波 涼哉です。今日はお世話になります」

未帆さんのかしこまった言動に二人も合わせ、丁寧に挨拶をする。

「功樹様もお久しぶりに御座います」

「お久しぶりです。今日は何もない事を祈ります...」

そう言うと未帆さんは微笑み返すだけ。とても不安な気持ちになる。




それから、未帆さんの運転する車に乗って屋敷の中に足を踏み入れ、2人共々初めの俺同然その規格外さに唖然となりつつも、それぞれ「和室」「洋室」「アメリカン」「ローマ」「開放感のあるアンティーク調の部屋」「自然を取り入れたカントリー風の部屋」と扉を開ける度全く違うテイストの部屋をお好みでと紹介された。


いや、ハ◯ルの玄関かよ。


などと、心の内でツッコミつつ。

しかし、皆満場一致で案内された部屋はどれも広すぎて勉強するにはどうも落ち着かず、未帆さんに頼み込み、どうやら1部屋だけ狭めな部屋があるらしいのでそこで一旦集まる事にした。


案内され見渡すと、今までの部屋と比べると確かに狭くはあるが、俺の部屋と比較しても十二分に広い部屋だった。まあ、予想はしてたけど...

その部屋は和式で全面床畳ゆかたたみがかれ、真ん中には丸い木製の机が置かれているだけの、とてもシンプルな部屋の様式となっている。俺含め皆からするとこの家で唯一、肩を下ろせる部屋だった。 



それぞれ部屋の片隅に荷物を置き、机を囲むように腰掛ける。

「こちら実はお婆様のお部屋でして、一応許可は頂いておりますが出来るだけこの部屋での飲食はお控え頂けると助かります」

未帆さんが申し訳なさそうに頭を下げお願いする。

「全然全然!!分かりました!(...それにしては生活感がない部屋だな)」

「有難う御座います。では」

そう言って部屋を静かに出て行かれた。

「よしっ。やるか」

涼哉以外が机に筆記用具とノートとワークを広げ勉強へと取り掛かる。



「あれっ...ここはどうするんだっけか...」

「そこは代入するのよ」

「あぁ!そうだった!」

今や館宮さんは彼女マンツーマンの家庭教師と化している。

「涼哉って、よくそんな感じで学年1位取れるよな...羨ましいよ」

床に転がってくつろぐ涼哉に、俺はため息混じりな声で話し掛ける。

「ん〜。でも俺、勉強嫌いなんだけどね」

「そう言う所がムカつくのよ」

それを聞いていた館宮さんがシャーペンを強く握りしめてぼやく。

「まっ。委員長には絶対負けないけどね〜」

「絶対負かしてやる...」

あからさまに挑発する楽しげな涼哉に、怒りを押さえつつ。教えながら、自分の勉強も更に拍車をかけて取り掛かる館宮さん。

お互い、相当負けず嫌いなんだろう。




勉強を始め約2時間ほどが経ち、彼女の集中力も切れかけていた時。未帆さんから夕飯の準備が出来たと甘い一声と同時にノート類を一斉に畳み、広間へ足を走らせる。


広間に着くと、そこには机いっぱいに食欲そそる香りを漂わせた食事達が、腹の音を挑発するかのように待ち構えていた。


今回は、バイキング形式のように料理が並べられており、どれも手がっていて空腹が更に唆られる。クルトンとベーコン、レタスにトマト。様々で色とりどりに盛られたサラダ。隣には6種類違う風味のドレッシング。クラムチャウダーにポテトフライ。ナポリタンとカルボナーラの麺類。

奥に進むにつれ料理は手の凝ったものになっていき、韓国海苔の上に分厚いローストビーフが重ねられ、更にとても色美やかな生うにが乗せられたなんとも贅沢な一品。伊勢海老の中身を丸ごと切り抜き、その中に海老のソースをベースに細かく切り刻んだベーコンと玉ねぎ、白身魚と米。様々なスパイスを加え、炒めたリゾットを存分に詰め込み。その周りに、取り出した伊勢海老の身にマヨネーズとチーズを乗せこんがりと火で炙ったものを周りに盛り付けた一品。その隣には繊細な料理とは打って変わり、男子部活生なら誰でもヨダレで服のえりを濡らせれる、肉汁溢れ出す分厚いサーロインステーキ。どれもこれもそのクオリティーの高さと美味しさ。未帆さんの料理の腕前に改めて感服させられる。



「何これ...口に広がる果てしなく広大な旨味」

その味は館宮さんの舌をも唸らせる。

「こんな美味しい料理、初めて食べたや」

感動し目を輝かせる涼哉。

「未帆さん、うちの冷蔵庫の食材で毎日作りに来てくれないかな...」

未帆さん自身を求め出す程、旨さに心打たれる俺。

「はむっ...はむ。ゴクゴク...はむっはむ」

ただひたすら無言で食べ進める彼女。


あれだけあった料理も30分足らずで全て完食し、


「「「「ごちそうさまでした!」」」」


心なしか食事を終えた俺達の肌は潤いが増し、艶やかになったような気がした。




その後は少しして入浴なのだが、涼哉は前回俺の選んだ「和」を選び。


~日本古来の露天風呂(巨大)~


「ふぅ...極楽極楽。にしても、広いなぁ...」

温泉に浸かり、柵の外から見える竹林を眺めながら周りを見渡す。




女子達は揃って「洋」に行き。


~古代ローマの大浴場~

浴室の真ん中に巨大な丸型の浴槽があり。幾つもの白い石柱と男女の石像が配置されている。古代ローマ「トレビの泉」をイメージした大浴場。


「あなた...意外と大きいのね。少し分けなさい」

彼女の胸を見て、とても真剣な顔で迫る館宮さん。

「ちょっ...あんた何言って、やめっ...触るな!ひっ...やめろー!」

触れようとして来る手を必死に剥がし逃げ惑う彼女。




俺は前回踏み出せなかった謎の「海」を選び入った。


~地中海の水族館~

床。壁。天井。全面ガラス張りの空間。真っ暗な空間を青いライトでライトアップされ、そのガラスの向こうには小魚がたくさん泳いでおり。中にはエイやマンボウ。サメまでおり、まるで海の中にいるかのような巨大水族館浴場。




風呂から出ると、廊下にある長椅子に腰掛ける涼哉が、フルーツオレ片手に待っていた。

「おかえり〜はいこれっ」

涼哉は持参したフード付きの部屋着を身に纏い、サラヘア増しの髪をサラつかせフルーツオレを持った右手を差し出す。

「ありがとっ...」

「どうだっ...聞くまでもないか...」

俺の疲れ果てて生気のない顔を見て、涼哉は察した。

「いや...海?あれ...生きた心地しないよ?身投げした気分」

「それ程なんだ。ちょっと気になるね」

そんな事を言う涼哉に、俺は大きく首を横に振る。

すると、火照った顔つきの彼女達が赤い暖簾のれんを捲って出てきた。

「もう...あんたとは絶対入らんっ」

何やら疲れ切った様子の彼女。身に纏うそれは以前着ていたピンクのパジャマとはまた違い、今回は赤と白の襟付きチェック柄。サイズ感にゆとりをもたせた袖先からスラリと細く滑らかな指が顔を出す。

「ごめんなさい。少し取り乱してしまったみたい...」

その後ろから館宮さんが反省した様子で彼女に声を掛ける。

「おかえり〜何の話?」

涼哉が気になる様子で手を振る。

「あなたには関係無いわ」

館宮さんが冷たく返す。

「え〜そっけないな〜」


「ねぇ館宮さん...そのパジャマ」

俺は館宮さんの腹元をじっと見つめ、そいつと目が合いながら尋ねた。

「何?」

「いや...やっぱ何でもないです」

俺はやめた。それに触れる事を。触れようとして沼地にハマる感覚を一歩手前で感じたから。


それから誰も気にしてはいても、触れられずに終わった館宮さんのパジャマ。


「(中々、ツッコンでくれないわね...)」


そんな中、1人心の中で[お泊まり会大ウケ間違い無し!迷ったらコイツに頼ろう!人面ケンタウロス!]の広告を頭に浮かばせ、まだかまだかとツッコミ待ちをしていた館宮さんであった。






風呂から出た俺達は、そのまま部屋に集まり勉強を再開した。



「なぁ〜。どうして数学を証明しろだなんて言う奴が現れたんだろう...」

ペンの走る音が飛ぶかう中、彼女がおもむろに口を開く。

「どうして、算数は数学に進化する選択をしたのだろう。どうして、その数学は x や y などを仲間に引き入れたのだろう...」

その何とも返しづらい独り言に、耳を傾け無いようにして書き進める。

「...どうして。ひつじ山羊やぎはよく見たら全然似つかないのに、たまに間違えるんだろう」

「いや、急に話変わり過ぎでしょ!」

俺はそのあまりにも関係性の無い話題に思わずツッコんでしまった。

「羊っていいよね...頭の中でジャンプしてるだけで」

「いやそんな事ないよ!?羊だって肌に見せたくないイボがあったとしても関係無く、皆綺麗に剃られちゃうんだからっ...可哀想にっ...」

俺も勉強の手が止まり、剃られてくイボあり羊を想像してしまい涙ぐむ。

「.........少し、横になるからちょっとしたら起こして」

目も半開きで首をカクカクさせながら、彼女は横になり丸くなる。

「ちょっと!まだ範囲終わってないじゃない!」

床に寝転がり、今にも寝そうな彼女を揺らして起こす館宮さん。

「ん〜少し横になるだけだからぁ...」

「はぁ...」

寝返りを打ち、はだける彼女の浴衣を母のように直し、ため息を溢す。

彼女は起きず、涼哉もいつの間にか横になっており。気持ちやすそうに眠る2人を見ていると、次第にこっちまで眠くなってくる。

「...ごめん館宮さん。俺も少しだけ横になる」

迫る眠気に逆らえず、体を倒し、眠りにつく。

「え!?ちょっと!......はぁ。もうっ」

周りが全員眠りにつく中、館宮さんだけは真面目にワークを進めていく。



しかし、館宮さんにも次第に眠気が迫り。

「あっ...ちょっと、やばいかも...」

そのまま机に頭をつけ、目を瞑ってしまう。










「んっ...んん〜あれ?私寝てた?」

館宮さんが皆寝息を立てる中、目を覚まし寝てしまっていた事に気付く。

「んっ。何...?」

横に寝返りを打った際、鼻に何か柔らかい感触が当たる。

すると、そこには深く眠った滝宮の顔が鼻に触れる距離にあり、私は慌ててすぐさま顔を逸らす。

「(...びっくりしたぁ。はぁ...何でこんな近くに)」

どうやら、栞の寝相の悪さに押されてここまで流れて来たらしい。

部屋の電気は消え、皆の体には毛布が掛けられていた。

「(私...いつに間に床で寝て...)」

ゆっくりと静かに体を起こし、時計を見る。

「(もうこんな時間...皆もこれじゃ起きそうにないわね...)」

時間は夜中2時を回っており、周りを見渡し熟睡する皆を見て息を吐く。


「(.........鼻。当たった、よね...?)」

自分の鼻を手で触れ、思い出したかのように身体中に熱が急激に駆け巡り、鼓動が速く波打つように鳴る。

「(何っ、これ...熱い)」

彼を見て、更に速く強く打つ胸を押さえる。



この症状が一体何なのか、彼女が知るのはもう少し先の未来。

今はただ、自分の鼓動の音で彼が起きない事だけを考える事しか出来ずにいた。



「はぁはぁ。え?何?私...死ぬの...???」



後日。館宮さんは市内の病院をしらみ潰しに周った。





花咲はなさき婆さん⁂

生年月日年齢:不明  図書室の事務長(管理人) 

趣味:読書と勉強。裁縫に陶芸。 好きな音:鉛筆の芯を削る音(手動式) 

嫌いな音:やかんの沸騰音  趣味に明け暮れ学校で寝泊まりもしばしば

そして何故か、花咲婆さんに頭の上がる教師は皆無



AM3:00(夜中皆爆睡中)

功「んんっ...トイレ...」

  《ガチャ》~スタスタ~

◯「ほら!そこ!」

功「ん?何の音...」

◯「あ゛あ゛ぁ!!チッ!今絶対掴み技入っただろ!」

  ~ドアの隙間~(覗)

功「えっ...」

未帆「はぁぁ...もう一回!次こそは掴み上下でコロす!」

  ~ドアの隙間~(静かに閉め、部屋へと戻る)

功「(......トイレ、忘れた)」


俺はその光景を、夢の中に封印した。



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