超能力を得た片想い女子高生の話

それから

それから私は、気に入らない人間を次々消すようになった。

ウザイ先生、嫌いなクラスメイト、ムカつく奴ら全部消してやった。

社会人になった後も、同じように気に入らないやつを消した。

そんな事をしていたら、私は30歳を目前にしていた

相変わらず、運命の相手は現れず…振られたり、嫌われたりするたびに相手を消しまくった。

そうやって何の考えもなく人を消し去っていたせいで、日本は大変な事になった。

どうやら人を消し去ると、その人の子孫まで消えてしまうらしく、私が人を消し続けた結果、日本の人口は2/3にまで減ってしまった。

生まれていたはずの子供がいなくなり、世は超少子高齢化になってしまい、税金等の額も10年前の約3倍になり、給料の半分はそれらに持って行かれるようになってしまった。

しかも人が減った事により仕事が回らず、1日の労働時間が8時間から12時間になり、週休は1日になってしまった。

もちろん有休なんて制度は無くなった。

定年退職も退職金制度も撤廃され、人々は死ぬまで働く事になり、過労死する人が続出した。

仕事に時間を持って行かれ、出会いを求める暇もなくなり、さらに結婚しても産休を取ることもできず、だからと言って辞めることも許されない状態になってしまったので、少子化はさらに加速

私がしたかったのはこんな事じゃない

私は、ただ好きな人と結ばれたかっただけなのに…

世の中は地獄…

もういや…

私は自分を消した。