くだらないことをしてみよう

にんじんうまい

くだらないことをしてみよう


くだらないことをしてみよう。


例えば、タイルの直角目地を踏み遊んだり、あの雲の形はなんだろうと想像してみたり、道端で踏ん張ってるその背の高い雑草にハイタッチしたりしてみよう。

アテもなく歩くなんともない道がガラっと変わって、くだらないことが私の世界の中心になる。


くだらないことをしてみよう。

例えば、食卓に置かれた果物でピラミットを作ったり、砂時計をひたすら逆さにしてその音を楽しんだり、夕日が沈んだ瞬間にぽっと一つ、部屋にライトを灯すのはどうだろう。

何気ないお家の時間が、私のくだらないことで小さな非日常へと切り替わる。


くだらないことを探してみよう。

曇った窓ガラスに指ですぐ溶ける絵を残すこと。

その滴が垂れた道を辿って水の地図を作ること。

ふとガラスから覗いた車のナンバープレートでゴロ合わせすること。

考えてぐるぐる、その時何故か浮かぶ、思い出せない夢の続きを現実で完成させてあげること。

やっと車を降りて歩いている今ここが、映画のワンシーンなんだって思い込むこと。


くだらないって他人に思われても、そもそも自分でそう思ってもいいんだ。

くだらないことって案外自分を作ってるものだったりする。

くだらない世界で私は、そのくだらないを見つけたいんだ。

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