1章ドッペルゲンガー

「ゴーストアップル」の記事を見たリンゴは、口に出していた

「私と同じだ、偽物のくせに、ちゃっかり本物と入れ替わる」

リンゴは、自分は、本物ではないと思っていた

なんとなくわかるのだ、心の中で感じていた、


私は本物じゃない、偽物だ、誰かの、ドッペルゲンガーだ、

私は、本物と出会えば、殺してしまう偽物だ、と


そして、リンゴは段々と、外に出なくなった、まだ見ぬ本物を殺さないために

外で、私が本物じゃないから、と惨めな思いをしないで済むから

なんてことで、かれこれ、かれこれもう5年は引きこもっている

ただ完全に ではない、月に一度1時間外を散歩してくるよう、母に言われている

「そろそろかな、今月も」

リンゴはそう思っていた

「いつも目を伏せて、ほかの人と目を合わせないように頑張っているのに」

毎月首が痛いのに何があったか、嬉しそうにいわなくてはならないから大変なのにと文句をぶつぶつつぶやいていた,そうしたら、1階から

「リンゴー今月もそろそろ散歩いきなさーい」

と母の声が聞こえてきた

「はーい、おかあさーん、じゃあいってきまーす」と声をかけて

気の重い散歩をはじめた

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