第10話
運ばれて来た水を飲んで一息付いてから、店員さんに黒毛和牛一〇〇%のハンバーグステーキをコースで二つ頼む。
しばらくしてオードブルサラダとスープが運ばれて来た。
「うわぁ、すっごい! これ、本当に食べて良いの、お兄ちゃん?」
「ああ、背が伸びる様にイッパイ食って栄養分を補給しろよ?」
「わぁ~い! じゃあ、
ミクルちゃんが意気込んでサラダに手を付けようとする。
しかし、
「ありゃ? う~ん…。 とりゃ! あぅぅ…。」
仕方ない、
「ミクル、オレが口に料理を運んでやるから、アーンしてろ。心配しなくても熱いのはフーフーしてやるから、火傷させたりはしないからさ。」
「え…でも…それってちょっと恥ずかしいよ…。」
「ミクルの片手が
「う~ん…じゃあ、お願いね、お兄ちゃん。」
「よし、キッチリ
手始めにサラダを口に運んでやる。
もきゅもきゅと、ハムスターの様に、ほっぺを
続けてスープ。
これは流石に熱いので、言った通りにフーフーしてミクルちゃんの口に運んでやる。
ツルンと飲み込んでニコニコ笑顔で
やべぇ! 本気で可愛いぞ、この
この
何度目かの皿とミクルちゃんの口との
少し周りを見回すと、店内の
よくよく考えればオレがこの
客観的に考えて釣り合いの取れているカップルだとは自分でも思えないが、ギュッとオレの腕を抱きながら嬉しそうに口を開けて
周囲の
オードブルが
『早く、早く!』と言わんばかりに、口を開けてハンバーグの投下を待っている。
一口サイズに切ったハンバーグをフォークに
「う~む、
「うわぁッ⁉ ミクルのハンバーグがぁッ⁉」
「ハハハ、ミクルがあんまりにも無防備に
「うわ~ん! ダメだよ! ミクルもハンバーグ食べたいよぉッ‼」
お
「ウソだよ、ウソ。ちゃんとミクルにも食わせてやるから、もう一度アーンしてな。」
「うん。アーンするから絶対だよ?」
『ちゃんと運んでくれるかなぁ?』と、不安そうにしながら、再度アーンと口を開ける。
今度こそ運んでやってフォークを引き抜く。
「いやぁ、これで間接キッスが成立したワケだ。ミクルの口に運んだフォークでオレが食って、またミクルの口に運んだからなぁ。間接キッスだけど、これはかなりディープだよね?」
「ゴホッ、ゴホッ!」
ハハハ、
いやぁ、
周りの
「ちょ…フォーク! フォーク
「まぁまぁ、そんな慌てんなよ。それとも何か? そんなにオレと間接キッスになったのが嫌だったのか?」
「え…その…そんな嫌っていうワケじゃないけど…ただ…恥ずかしくて…。」
周りからの
この
「仕方ない。新しいフォークを
店員さんに新しいフォークを用意して
ここに来て思う。やっぱしこの
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